2009年03月14日
2009年03月14日
資料映像集 #4「ボール乗りの練習」
一連の「ボール乗りの練習」でボールの上に立てるようになったら、立ったままスクワットをしたり、その場で足踏みをしたり、バウンディングが出来るように練習をします。また、立つことに慣れたら出来るだけ膝を伸ばして立ち、足幅を徐々に狭めていくようにします。
ボールに立てるようになったら、次の課題は「手を使わずにボールに立つ」ことです。
初めは片足をボールに掛け、そのまま手を着けずにもう片方の足を上げ、ボールに立ちます。
それが出来たら、この映像のように「歩いて来てボールに飛び乗る」ことも練習してみます。
ボールには様々な材質のものがあり、物によって立ちやすさも様々です。
ボールの大きさは各自の好みとなりますが、材質による乗り易さについては意見が一致し、乗り易いものばかりで練習していると、たとえ立てるようになっても、乗り難いボールには中々立てないようなことも起こります。
ボールの材質は、初めからある程度の硬さを持つものを用いる方が良いようです。
柔らかすぎるもの(立つと大きく窪んでしまう物)では、まるで大きな座布団の上に立っているような感覚なので、たとえ乗り易くとも、あまり効果が期待できません。
また、材質が粗悪であったり極端に廉価な物の中には、小さな傷でも一気に破裂してしまうものもあるので、入手の際には安全性を考慮する必要があります。
ボール乗りは、誰にでも「非日常」が体験できる、とても楽しい練習法です。
太極武藝館では10年ほど前から師父が逸早くこれを太極拳の補助練習に取り入れて以来、多くの人がボールに立てるようになり、身体を開発するために大いに役立っています。
この練習は年齢にもあまり制限を感じません。50歳を過ぎてからこの練習を始めた人たちが短期間でどんどんボールに立てるようになってくることには私たちも大変驚かされます。
また、60歳を過ぎてからボールの練習を始めた人でも、「狛犬」と呼ばれる、両手両脚を着けて乗る段階までは容易にこなしています。
ボール乗りは、太極拳の補助練功として工夫をすればその効果が高いものですが、太極拳として誤った身体の使い方を行えば、それなりに誤った身体が養われてしまいます。
太極拳の身体の在り方をよく知る指導者の許でこのような正しい訓練を積めば、より高度な身体構造を手に入れる為の大きな手掛かりとなることでしょう。
(了)