2015年08月01日

連載小説「龍の道」 第159回




第159回  BOOT CAMP (8)



 今日の訓練は、行軍である。
 行軍とは、軍隊で兵士が隊列を組んで長距離を行進し移動することだが、今日のそれは、いつものような、広いキャンパスの中を延々と歩き続けるのではなく、外に出て、道らしい道も無いアラスカの大自然の中を、18マイル(約30km)も歩かされるのである。

 ──────と言っても、ただ徒に距離を歩くのではない。自分の体重以外に、制服や軍靴、鉄のヘルメット、水筒、ライフルなどを入れると、優にプラス25kgを超えるが、その重い装備を身にまとったまま、30kmの原野を往くのだ。
 それを想像しただけでも、普通はちょっと身が退けてしまうに違いない。整備された平坦な街路を手ぶらで歩いたとしても、30kmは結構きつい距離だ。
 30kmとは、だいたい東京から東神奈川くらいの距離に等しい。あの弥次喜多道中には、毎日30〜40km、8〜10時間も歩くと書かれていて、昔の日本人の健脚ぶりがわかる。
 草鞋(わらじ)でそれだけ歩くのは大したものだが、それでも現代兵士のように重い装備を背負って歩いたわけではない。目的が違うのである。

 そもそも、人は決して重い物を持っては歩きたがらないものだ。その証拠に、登山をする人は誰もが装備を極力軽くしようと努める。山行のたびに荷物の重量で苦労し、次はもっと軽くしたいと思い、帰って来てまだ重かったと嘆き、次回はさらに軽くするぞ、と思うのだそうで、軽ければ軽いほど山行はより快適になり、楽しくなるというわけである。
 だから登山家は、山行前には基本の装備は無論、サロンパスの一枚、バンダナの一枚に至るまでグラム単位で量ってリストアップし、どれほど軽くできるか工夫するそうだ。
 確かに、登山用品店に行けば、水筒や食器、燃焼器具、衣類、靴、ハシやスプーンに至るまで、ことごとく軽量化がなされているのが分かる。つまり山歩きをする際には、それほど「重量」が問題になる、ということである。

 だが、ベテラン登山家は、一泊二日の山行でも、一週間の尾根伝いの縦走でも、それほど装備の量は変わらない、と言う。
 また、水や食料、燃料などの消耗品を除いた背負うべき重量を指す ”ベースウエイト” という考え方がある。衣服のポケットの中、ウエストバッグ、手に持つ道具などを含まない基本の重量のことだ。
 '70年代にヨセミテで活躍したクライマー、Ray Jardine はウルトラライト・ハイキングというスタイルを提唱し世界に広めたが、そのベースウエイトは10ポンド(4.5kg)を基準とし、ついには8.5ポンド(3.85kg)という域にまで達したそうだ。

 だが、軍隊ではたとえどれほど軽量化したくとも、装備は元々支給品で決まっているからどうにもならない。何しろ手にしたライフルと弾丸だけでも、すでにそのベースウエイト分の重さを超えているのだから。


「Fall In !! ─────(整列っ!)」

 早朝5時半。学生兵士全員が集合し、直立不動で整列をする。
 これがきちんと出来たら、チームごとに点呼をするのは、いつもと変わらない。

「Attention !! ─────(気をつけっ!)」

「At ease !!(休めっ!)───────」

 朝礼台の上に立ったドリルサージャント(教官の軍曹)が、もうすっかり整列する姿が板に付いた学生たちを見下ろして、今日行われる行軍訓練の内容を説明する。

「君たちはすでに10マイル(16km)行軍を経験しているが、今日は次のレベルの、18マイル(約30km)行軍を行う。
 幸いこのアラスカは、キャンパスを出ればすぐ手つかずの自然の原野が広がっている。
 行軍コースは、山あり谿あり森林ありと、多様なルートを巡って、この出発地点まで戻ってくる。所要時間は約10〜12時間。装備の重量はライフルとバックパックで約60ポンドほど(27kg)になる。ベンチプレスで220ポンド(100kg)を軽々と挙げている者も、やがて、わずか10ポンドばかりのライフルを道端に放り出したくなる時がやってくるから、今のうちに覚悟をした方がいい」

「Wow・・・・!!」

 学生たちが騒めいた。

「だが、一人前の兵士になるには、その程度で泣き言を言うようでは失格だ。曾て私が戦地に赴いた時に、試しに装備を着けたまま体重計に乗ってみたら、325ポンド(147kg)もあって随分驚かされた。私の体重は156ポンド(70kg)だったから、自分のウエイトを超える装備を身に着けて、駆け回って戦っていたことになる」

「──────────────────」

「君たちの装備は軽い、最前線の兵士と比べれば非常に軽いのだ。その装備が本当に軽く思えるようにならなければ、強い兵士にはなれない。グリーン・ベレー(米陸軍特殊部隊)やスクリーミング・イーグル(101st Airborne Division=第101空挺師団の愛称)などでは 50マイルや60マイル(80〜100km)の行軍訓練が普通なのだ。如何なる状況でも戦える体力と知力、不屈の精神力こそがアメリカ兵士の誇りだ。ひとりの落伍者もなく事故もなく、今日の行軍を終えて欲しい───────以上だ!!」

 思いがけず教官から出た経験談に、みな真顔で聞き入っていた。

 自分の体重よりも重い装備を装着して、なお戦地で敵と闘うには、果たしてどれほどの体力と精神力が必要とされるのだろうか、と思う。
 その話を聞いたせいか、出発前の装備確認をしながら、心做しかバックパックが軽いように感じられるから不思議である。

 装備品は、バックパックには、着替えの迷彩服、同じ迷彩のパーカーとズボン(雨具)、下着や靴下の着替え、近ごろ製造が始まったばかりのMRE(Meal, Ready to Eat=兵士に配給される野戦食)、予備の水筒、それに携帯用シャベルなどが入る。
 また、腰の弾帯には銃剣と水筒、ライフルのマガジンが入った弾納ポーチなどを装着し、それにヘルメットとM-16ライフル、厚い皮の軍靴が加わり、言われたとおり、かなりの重さとなった。

「昔の日本のヨロイArmor と、カブトHelmet は、重さが25kgほどあって、槍や刀などの武器を持って完全武装すると、総重量は40kg近くにもなったんだそうだが────────」

 装備の点検をしながら、宏隆が隣の学生にそう話しかけた。

「へえ、日本人は小柄な人が多いのに、よくそんな重い装備が持てるなぁ・・」

「そうだね、有名な源義経という武将は身長が145センチ、たぶん体重は40kgくらいかな、その体で40キロの武具装着というのは、いま教官が言った事とピッタリ一致している」

「Oh!、ミナモトノ、ヨシツネ !!、ウシワカ、マル !!、Battle of Ichi-no-Tani and Dan-no-Ura・・He was the great warrior, great commander !!」

 義経の名を聞いて、その学生が興奮した。

「へぇ、よく知ってるなぁ、アメリカでも判官ビイキってのがあるンかいな・・?」

「やっぱり今も昔も、西も東も、アラスカでも、兵士ほどキツいものは無いんだろうね!」

「ははは・・・・」

「あははは・・・・」

「コラぁ、そこっ!、これから行軍だというのに、何をヘラヘラ笑っとるか!」

「あ・・し、しまった!」

「タルんどるぞ!、罰として、その場でプッシュアップ 20回だっ!!」

「・・い、イエス、ドリルサージャント(教官軍曹)!」

 小声で話していたのだが、楽しそうに笑ったので鬼軍曹に見咎められた。
 丁度バックパックを担いだところだが、降ろせとは命じられていないので、やむなくそのまま腕立て伏せをする。27kgを背負って行う20回の腕立て伏せは、決して少なくない。
 すぐに汗がドッと噴き出してきて、二人とも無駄話をしたことを後悔した。



 ─────────確かに、アラスカは大自然の環境に恵まれている。

 キャンパスを出て歩き始めると、初めのうちは、いかにも大学のある町、アラスカ最大の学園都市らしい美しい街路をたどって歩くが、ほんの数キロほど進んで、単線の鉄道の線路を越え、永久凍土が溶けて出来た小さな湖を過ぎると、すぐに原野の中を縦横に走る未舗装の路となる。郊外の森の中には、街の喧騒を離れて暮らす人たちのログハウスやロッジ風の家が所々に点在している。

 そんな風景を過ぎて、さらに少し歩いていくと、突然道が途絶えた。
 だが、よく足許を見ると、そこが元は道であったらしいことが分かる。今は誰も使わなくなった、忘れられつつある野の路なのである。
 隊列は、足元の草を分けながら、その路をひたすら辿って行く。

 出発して3マイル(約5km)ほどのところで、Short Break(小休止)となった。
 チームごとに点呼をし、チームリーダーが軍曹に報告する。

「よし、全員到着しているな?、今のうちに少し水分を補給するんだ!」

 宏隆は射撃をはじめ、何をやらせても成績が良いので、チームを編成する時にはリーダーを命じられることが多い。

「少し休憩だ。水分を補給しておけ、と言っている」

 チームの学生たちに、そう告げた。

「もう休憩するのか────────?」

 意外と早い休憩のタイミングに、皆ちょっと拍子抜けした顔をするが、思い思いにそこらの倒木に腰掛け、水筒に口を着けながら、しばし談笑する。

 水筒は二つ。腰に着けたのは1クオート入るキャンティーン(1qt.=950ccの軍用水筒)で、それ以外にもバックパックに予備の水筒を入れる。人間が一日に必要とする水分は飲料水で1,200cc、食物から800ccというけれども、30kmも林野を歩くのだから多すぎることはない。

 大切なことは、人は体の活動を維持するために水分を取り、排泄し、それを循環させているという認識である。この循環が途絶えれば生命活動は停止してしまう。
 水は飲めば良いだけではない、一日に最低でも500ccの小便が排泄されなければ、不要な物質が体内に溜まり、生命維持において大変危険な状態になるし、排泄された水分は直ちに補う必要がある。
 自衛隊員が島嶼(とうしょ)警備などで山深くに入る際には、一人9リットルずつの水を背負って行くという。装備以外の9リットルは結構重い。山中には大概湧き水もある、何もわざわざ辛い目に遭いながら重い水を運ぶ事はない、とも思えるが、何らかの事情で状況が一変すれば、その重さのありがたさが身に染みるに違いない。

「人間のカラダは、60%が水だって言うけど、ホントかな・・?」

 誰かがボソリと言った。

「ああ、本当だよ────────」

 いかにもインテリ風の、Wilson(ウィルソン)という眼鏡を掛けた学生が答えた。

「新生児の赤ん坊だと、その数値はもっと高くて、体重の80%が水なんだそうだ」

「へえ、すごいなぁ。でも、そんなに水があったら、触ったらチャプチャプしているようなものだが・・どこにそんな水分があるんだろう?」

 よく鍛えられた引き締まった体に、浅黒い肌が光る、Lopez(ロペス)がそう訪ねた。

「体重の60%を占める水のうち、45%までが細胞内にある水なんだ。残りの15%は血液やリンパ液など、細胞外にある水分───────ひとつひとつの細胞の中ではタンパク質や糖質、脂質やイオンなどが組み合わさっているけれど、それらの要素を結びつけているものが水なんだ。水と言っても形態は違っていて、ドロドロしたゼリーのような形をとっている。小さな細胞の中で、水様分子が絶えず休まずに動いて、生命活動を支えているんだよ。
 人体はそんな細胞が20兆個以上も集まって出来ている。我々人間は、それを皮膚ですっぽりと包んだ生命体なんだよ」

「詳しいなあ、どうしてそんなに細かいことを知っているんだ?」

「えーっと・・まあ、ボクは常識だと思ってるんだけど」

 ウィルソンが、ニコリと笑って答えた。

「ボクにも少し知っていることを言わせてくれ・・リンゴの85%は水、トマトの90%は水、魚は75%が水、人間の脳も80%が水、クラゲなんか96%も水で、ヒトの眼の網膜も92%は水だというから、ヒトはその水に映して物を見ているということになるよね」

 宏隆がインテリのウィルソンの話に付け加えた。

「オオ、すごい話だな!、まだ大して歩いてないけど、とりあえず水を飲んでおこう!!」

「あはははは────────」

「わははははは────────」

「なかなか好い話をしているじゃないか、ここのチームは・・・」

 いつの間にか、すぐそばに教官が見廻りに来ていた。

「あ・・ドリルサージャント!」

 皆が起ち上がって姿勢を正そうとするが、

「まあ楽にしろ、いまは休憩時間だ」

「サンキュー、サー!」

「いまの話の続きだが、人間はどのくらいで脱水症状になるか、知っているか?」

「脱水症状───────?」

 皆は首を傾げている。

「誰も知らないか・・チームリーダーのカトー、お前はどうだ?」

「イエス、まずは1%不足しただけでも猛烈に喉が渇きます。もし一日中水を摂らなければ体内の2.5%の水分が失われ、脱水熱が出て、それが進めばやがて幻覚症状に陥ります。
 成人は2〜4%の水分が失われると、体内のナトリウムやカルシウムのバランスが悪化して死に至ります。それがいわゆる ”脱水症状” と言われるものです」

「ほう、よく知っているな。まるで特殊部隊の教育を受けた者のような答え方だが・・」

「い、いえ!・・そんな・・学校で習っただけです!!」

「ははは、冗談だよ。特殊部隊の訓練を受けた人間が、わざわざアラスカの大学に来て軍事訓練をする必要など無いからな!、ははは・・・」

「あはははは・・・」

 それを聞いて皆も笑ったが、宏隆は笑えず、ホッと胸をなで下ろした。
 学んだことは、つい自然に口を衝いて出てしまう。自分の経歴が見破られないように、もっと注意しなくてはならないと思った。

「・・よし、そろそろ出発するぞ!」

「イエッサー!!」



 行軍はつづく─────────休憩から再び3時間以上は歩いているだろうか。

 やがて、さらに深い針葉樹林帯の中へと足を踏み入れてゆくと、にわかに灰色の雲が広がってきて、雨になるかも知れないな、と思った途端に、ポツポツと顔に当たってきた。

「これはニワカ雨じゃ済まないな、けっこう降ってくるぞ・・・」

 宏隆は隊列を止めて、雨具を着用するよう、皆に指示を出した。

「そんなに降らないんじゃないかな、空もそれほど暗くないし────」

 体格の良い、スペイン系のロペスが面倒くさそうに言うが、

「いや、いきなり降ってきたらビショ濡れになって身体が冷える。降らなきゃ降らないで、また脱げばいいじゃないか」

「やれやれ、せっかく歩くリズムが乗ってきたトコロなんだけどなぁ・・」

「ほらほら、ぶつくさ言わないで、さっさと着ないと───────」

 そう話していた途端に、ザァーッと、バケツを引っ繰り返したような雨が降ってきた。

「うわぁーっっ・・・!!」

 みな慌ててバックパックを下ろし、急いで合羽を取り出して着る。
 ヒトはほとんど、雨に濡れることを嫌がる。どうもそういう動物らしい。

「何てところだ、アラスカってのは!!」

 上衣のパーカーはともかく、ゴツい軍用ブーツの上からズボンを履くのは慣れないと大変で、慌てていることもあって、一人が転けそうになり、一人はひっくり返って、仕方なくそのまま地面に座ってズボンと格闘している。

「ははは、だから言っただろう、Be prepared(備えよ常に=ボーイスカウトのモットー)だよ!」

「・・お、カトーも Boy Scouts だったのか?」

「いや、ほとんど自己流さ、野山を駆けまわってツリーハウスを作り、キャンプや探検ばかりしていたんだ!」

「Oh, You are naughty !!(ナーティ=言うことを聞かない腕白坊主)」

「Tom Sawyer !!(トム・ソーヤー)」

「あはは、そのとおり!!」

 同じ目的を持つ仲間と行動していると、それが大変な事でもずいぶん楽に感じられる。
 重い荷物を背負っての長距離行軍は確かにきつく、いきなり雨が降ってくればそれに輪をかけて惨めになるが、そんな辛さや厳しさを分かち合える仲間と一緒に居られることには、不思議と満ち足りた幸福感があった。



                    ( Stay tuned, to the next episode !! )





  *次回、連載小説「龍の道」 第160回の掲載は、8月15日(土)の予定です


taka_kasuga at 23:21コメント(18)連載小説:龍の道 | *第151回 〜 第160回 

コメント一覧

1. Posted by まっつ   2015年08月03日 23:02
小生も嘗て学生時代には山登りを趣味にしており、
練習で長距離、長時間の山行を経験した事はあります。
土日を使って15時間くらい歩き続けて、
最後はくたくたに疲れ果ててましたが、
歩き終えた気分は晴れやかであったと記憶しています。
翌日の授業では筋肉痛と睡魔に悩まされていましたが・・・

学生の趣味のレベルではありますが、
一度訓練で実際に経験をしておくと、
いざという時でも肚が据わるものなのだなと、感じました。
数回の山行でそれほど体力が増強される訳ではないので、
経験を積む中で、自分の限界と可能性を知り、
予測を可能とする事で、自らをコントロールする力が、
自然と養成されるよう図られていたのだと感じます。

恐らく軍隊の更に厳しい訓練では、
その自らをコントロールする力を意図的に養う点に、
大きな違いがあるのだと思います。

自分ならどうするだろう?
そんな興味が重なり、次回のエピソードが楽しみです。
 
2. Posted by 円山玄花   2015年08月05日 12:08
アラスカの大自然の中を30km!
ハイキングならともかく、装備を装着し、隊列を組んでの行軍は大変だと思います。

疲労の度合いが酷くなると水も飲めなくなってしまうようですが、
そんな時は舐めるだけ、或いは口に含ませるだけでもいいから、
とにかく水分を摂った方が良いようですね。
本当は、そうなる前に自分の状態を把握して、
常に動ける身体の状態に整えていなければならないのでしょうけれども。

「備える」とは、よく調べてよく識ることから始まり、
傲ることなく乱されることのない心で可能になることだと、ようやく分かってきました。
それでも、立ち向かう先は常に未開の地であり、何が起こるかは誰にも予測できないのですから、
どれほど念入りに備えても、備えすぎるということはないのだと思います。
 
3. Posted by マルコビッチ   2015年08月06日 21:06
25kgを身につけて30kmを歩く・・・自分の身体だけでも持て余している私にとっては、聞いただけでもクラクラしてきます・・(^_^;)
この様な訓練に臨む人は、日頃の訓練以外にも、身体を造っているのだと思います。
スポーツ選手なども、種目によって付ける筋肉の箇所が異なったりするのでしょうが、この様な軍事訓練を行う人はそもそも身体の作り方が違うような気がします。
腕立てやスクワットなどで筋肉質な身体を造るだけでは、この様な訓練は出来ないのではと想像します。
自分の体重、体脂肪、筋肉、骨・・など、あらゆる器官がベストバランスである状態が必要とされるように思います。
最近特に感じていることなのですが、動ける身体は、稽古によって造られる事はもちろんですが、食べ物や筋肉のほぐし、歪みの矯正などによって、バランスの良い身体を造ることが必要なのだと思います。
私は、若い頃から右足が外反母趾で(極端なハイヒールなど履いていなかったのですが・・)、最近になり、右足と左足では筋肉の付き方がまったく違ってきて、そればかりかウエストのくびれも違います。
右の内筋があまり使われていない証拠です。
こんな重大な歪みになろうとは・・・今からでも、歩き方などに強い意識をもってしないといけませんし、右の内筋を鍛えないといけないのかと思っています。
 
4. Posted by 太郎冠者   2015年08月06日 21:40
行軍するだけで限界になってしまいそうですが、そこからさらに戦わなければならないとなると、
兵士というのは本当に恐ろしい鍛え方をしなければならないのだなと、痛感します。

銃の雑誌でスペツナズの元隊員が「訓練は大変だったけど、半年もするころにはだいぶ身体が慣れてきて動けるようになってきた」というようなことを言っていましたが、
人間の持っている適応能力は、日常生活の中ではふだんは使われてないだけで凄いのでしょうね・・・。

人間がそれを出来る能力が備わっているとするのなら、それを育むことの出来る環境と、訓練する側がそれをこなしていけるだけの精神力が一番大事なように感じます。

>ヒトはほとんど、雨に濡れることを嫌がる。どうもそういう動物らしい。
ホントそうですね。濡れると体力が消耗するからでしょうか。
人間の体毛が薄いのも、そんな理由があるのかもしれないですね。
 
5. Posted by ユーカリ   2015年08月06日 23:08
普段、喉が渇いたから、または何となく水分を摂る、身体の反応に任せて排泄をする、といった具合に、身体の活動維持するためにそれらが循環していることを、認識するなど、考えたこともありませんでした。

気になった一つの事に固執しているという事は、水分を摂る事だけ、排泄する事だけ、に気を取られ、循環を認識できない、すでに生命活動を維持することが、難しい状況と同じことだと怖くなりました。
日頃の考え方や言動を見つ続けること、偏りや滞りに自分で気づける精神状態であることは本当に難しいと思います。
 
6. Posted by とび猿   2015年08月06日 23:47
今、夏真っ盛りですね。
以前は気温にばかり気を取られていたのですが、水分の摂り方で体調が随分と違ってくることに、ここ数年やっと気が付いてきました(汗)
それでも、不足する水分の補給に気を取られ、排泄の不順による影響にはあまり意識が回らず盲点でした。

>一日に最低でも500ccの小便が排泄されなければ、不要な物質が体内に溜まり、生命維持において大変危険な状態になる

このことを知るだけでも水分補給に対する見方が変わってきます。
過酷な状況を生き抜くには、このような意識改革の積み重ねが必要なのだと感じました。
 
7. Posted by bamboo   2015年08月07日 23:28
軍の要求に適った状態での30劼蓮|蝋でしょうね…。
しかし、行軍の訓練を通し、要求の重要性を肌身で感じ学び取っていくことができたら…他の訓練や人生の様々な困難にも大きな財産となるのでしょうね。
自分など、ろくに無いアタマやキアイに寄りかかっては転んできた事を想うと(よく今まで死ななかったよなぁ…そりゃぁアタマもイカレるわ)そう思います(苦笑)。いつか晴れ晴れとした気持ちで笑い飛ばせる日が来るよう、基本を大切に、マンボウに証せらるるように在りたいです。

同じ目的を持つ仲間…> 近頃この事をよく考えます。自分のしてきたこと、門人の皆様の大らかさ…溜息が出ます。
 
8. Posted by タイ爺   2015年08月10日 17:48
最近の北海道は高温多湿の夏日が随分と多い気がします。
以前は木陰に入ると風が爽やかだったのですが。
アメフトのトレーナーの手伝いをしていた時に熱中症の予防に随分と気を使いました。防具を身にまといヘルメットを装着して炎天下のなかを走り回るのわけですから熱中症対策は必然です。練習前後の体重測定を義務にした時もあります。体重の損失分が水分の損失というわけです。
何故か一度失った水分は容易に戻りづらく、気が付いた時には熱障害で朦朧としている場合が多かったようです。
早目に休息と水分の補給しか対策が最善でした。

装備と言えば能楽の衣装なども20 を超すのがざらだそうで、その立ち姿は武藝館の立ち方よく似ていますね。今回の龍の道を読んでふと思い出しました。
 
9. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 17:58
☆コメンターの皆さま

又々コメントバックが遅くなりまして、大変失礼いたしました。
暑いさなかスが、カスが・・いや、カスガは頑張っております。

・・って、シドニーは冬だに (^0^;) 

ハッケ–、((* ̄(エ) ̄)ノ ホレッッ )))))))ヽ( ; ̄ Д ̄)ノ ウワァ~~~~ッッ‼
 
10. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 17:59
☆まっつさん

>学生の趣味のレベルではありますが・・
>恐らく軍隊の更に厳しい訓練では・・・

まず識っておいて欲しいことは、
「趣味の山行」の延長に軍事訓練は無い、ということです。

趣味として行われる長距離・長時間の歩行と、
軍事訓練としての行軍は、まったく異なります。
ですから、そこから何を想像しても仕方がありません。

その「違い」は、一般人には想像も付きません。
体力や技術だけなら、歩荷などは 70〜100kgもの荷物を背負って、
標高何千メートルの山小屋まで年に200回も往復したりするんだから確かにスゴイし、
そんな人が登山界にはゴロゴロ居たりもするわけですが、
一般的な経験を幾ら積んでも、軍事訓練とは全くの別世界です。

何が違うのかというと、
「勝手なこと」が一切、これっぽっちも許されないこと。

服装も靴も、靴の紐の締め方も、装備も荷物の量も、歩くペースも、メシも水も、
その他一切が「命令」によって、自分に関係なく決められているので、
「テメエ勝手で気儘な考え」を夾む余地がコレッポッチも無い。

一般人はまず、ほとんどの人が、ここでイヤになります。(笑)

普通の人は、「自分の好み」を全てに当て嵌めて生きているからです。
或いは、それを当て嵌めることによって、狂わずに生きていられるからです。

その、どうしようもない窮屈さに、不自由さに、命令に従うしかない厳しい関係性に、
自分は決して絶えられないっっ!!・・と、そう思えるのがフツーの人です。
だからどの国の軍隊に志願してくる奴らも、大勢落伍していきます。
体力が続かないのではなく、心がひしゃげ、精神が、ノーミソが、パニクって保たないのです。
囚われて手錠を掛けられ、窓もない殺風景な独房に何週間か入れられた人なら、
その不自由さや厳しさを少し想像できるでしょう。
 
11. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:05
☆まっつさん(承前)

行軍の時は、ガムも食べられない、鼻歌も歌えない、
勝手に休んだり、水を飲んだり、笑ったりもできず、
雨が降っても、ずぶ濡れになってから合羽着用の命令が下りることもあります。
場合によっては足音も許されず、咳もクシャミも、呼吸もダメってコトもある。
これが正しいとか、こんな時はこうするベキダとか、コレが当り前じゃないか、
などと(自分が)思う事は悉く否定され、ムカツク表情さえ否定され、
イヤなら辞めろ、出てけ、ママの所へ帰れ、
お願いして来て貰ってるンじゃネエぞ、そんな軟弱なコンジョーじゃムリだ、
カエレ、ソレントヘ!!・・と容赦なく言われます。
「自分の好み」「自分のペース」「自分の考え方」を徹底否定されることが、
人間にとってこれほどコクなコトだったのかと、誰もが思い知らされるのです。

しかし、まともな道場で武術を本格的に修行してきた人や、禅寺で長年修行してきた坊さん
全てがうまく運ばず、一億円の借金を抱えて追い回され、女房に自殺された挙句
一念発起して比叡山で千日回峰行を二度もやり遂げるような人、
そしてベテランの軍人などであれば、その反応は全く違います。

そういう人たちは、自から求めて勝手気儘が許されない不自由さをイヤというほど経験し
その不自由さを超えて「本物」という目標に近づく努力をしてきたからです。
虚飾ぬき、エエカッコぬきで、本当の自分に正面から向かい合ってきたプロ。

それは、「趣味」というものが、個人が楽しみとする事柄をどのように楽しみ
どのように味わうか、という事を目的としているのに対し
プロの訓練が「試練」を通じて、厳しい任務や課題を全うできるだけの身体能力と
精神性を鍛え上げることを目的としているからです。

そして、それこそが「本物」の世界──────

それを超えてきた人だけが、その目で見られ、確かに手にすることの出来る
ホンモノの世界です。
 
12. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:10
☆玄花さん

↑上でも少し触れましたが、
一般人は「行軍」を「山野を長時間歩くこと」の延長にあると勘違いしがちですね。
一般の山行では「無理は禁物」「安全で楽しく」をモットーに行われるわけですが、
我々(?)は危険な所で危機を乗り越えるられるための訓練をしているワケで、
そもそも目的が違います。
先ずは、冷たいご飯と焼き肉の缶詰めを真っ暗闇の山中で食べて、
焚火もナシで、樹の幹に寄り掛かって一夜を明かして頂きたいものです。

趣味のスカイダイビングと、軍事パラシュート降下との違い、
興味本位の観光射撃と、軍事訓練射撃の違い、
山岳部のクライミングと、軍事ラペリングの違い、
民間フィールドアスレチックと、軍事フィールド訓練の違い、
そして、格闘競技と、本物の武術の違い、
その違いが分からない、初めから認識できない人が多くなったと思います。
平和なんだろな、日本は。

Mサイズで1.5kgもある鉄製のヘルメットを被り、体の前に4.5kgのライフルを抱えて、
背中に27kgを背負って、わざわざ道の無い所を選んで30kmを歩くことなんぞを、
趣味でやる一般人が居るわきゃぁ〜ありませんからね、まんず・・・
戦時なら、その行軍でヘトヘトになった直後に「突撃〜っ!!」てなことも有り得るワケで。

>「備える」とは・・

然り、然り────────

けれども、武術家を自認する人で、そう言える人が果たしてどれだけ居るか・・
 
13. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:10
☆マルコビッチさん

日頃の生活の中身がとても大事であることは、
分かっているようで、なかなか分かっていない場合が多いです。

睡眠、運動、食事、排泄、知性のトレーニング、
それをきちんとやろうとするだけでも、大変なことですが、
きちんとやっている人は、太極拳の上達が早いのは紛れもない事実です。
 
14. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:11
☆太郎冠者さん

>半年もする頃にはだいぶ身体が慣れてきて・・

そうそう、コレが怖い(笑)
あんなに辛かったのに、どうして今は何ともないのか、
人間はどんなコトにもだんだん慣れてくる、不思議でスゴイ生き物です。
ま、早い話が、脳が発達しているからですが。(笑)

・・てぇことは、つまり、上達がなかなか出来ないヤツは、
お脳の発達がとどこおつてゐる・・・んだよね。
脳よりも体を使って勝負しているから、いつまで経っても出来ない。

ヨーイフヨーリキ、コレ、スナハチ太極ナリヨ、ポコペン・・ ( ̄(エ) ̄)v
 
15. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:11
☆ユーカリさん

>日頃の考え方や言動を見続けること、
>偏りや滞りに自分で気付ける精神状態であることは本当に難しいと思います

そう、誰にとっても、それは難しいものですが、
世の中には、その難しいことに、敢えて挑戦しようとする、
ほんのひと握りの人たちが居ます。

そして、じつは、その人たちのおかげで、
日本は他所に比べてけっこう平和だな、なんて思えてしまったり、
何もいちいち、そんなにムキにならなくても、
贅沢さえしなければ、
まあまあ、けっこう、普通に暮らして、ほどほどに生きてゆけるし、
そうだ、今度はヨガとか玄米菜食でもやってみようかな・・・

・・なんて、そんなふうにも思えるわけですが。
 
16. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:12
☆とび猿さん

>夏真っ盛り

そう、太陽の季節、真夏の果実、ですね。

ボクは、こんな涙があふれる哀しい季節に、
風呂上がりに廊下から障子を突き破ったり、
砂に名前を書いてから消したりはしませんが、
やっぱし、こんな夜は涙見せずに、また逢えると言ってほすい・・
暑いときはやっぱり、アイスクリーム、ユースクリーム、好きさ〜
お嬢さん〜、お嬢さん〜・・♬

・・ア、アタマが熱くなってきた、水分補給しよ〜、っと。
 
17. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:14
☆ bamboo さん

>門人の皆さまの大らかさ、溜息が出ます

♬ ため息のでるよ〜な、あなたの口づけに
  甘い恋を夢見る 乙女ごころよ

  陽に焼けた頬よせて ささやいた約束は
  二人だけの秘め事 ため息が出ちゃう
  ああ恋のよろこびに バラ色の月日よ・・・

(ふ、古い・・あまりにも、モスラぁ〜ヤ、モスラぁ〜♪)

確かに門人の皆さまの中には「大がら」な人も居るようですが・・

嗚呼、とび猿さんのコメントといい、ホントに夏ですねぇ〜 ⊂( ̄(エ) ̄;)⊃
 

18. Posted by taka_kasga   2015年08月18日 18:14
☆タイ爺さん

北海道はでっかいどぅー、しばれるどぉー、
なまらしばれるんでないかい?・・と思ってたら、
近年は恋の町もケッコーあっついど〜、みたいですね。

それにしても、太極武術家にしてアメフトのトレーナーとは、
キョービ、なかなかユニークなんでないかい?(笑)

冗談はさておき・・能楽や歌舞伎の衣装の重さはすごいですね。
けっこう年配の方がそれをやってしまうことも、驚異的です。
三浦雄一郎さんも、バックパックに何十キロも入れて、アンクルウエイトまで付けて歩き回り、
そのおかげでエベレストに行けたと言っておられます。
徳川家康みたいに、ヒトは重荷を背負って長い坂道を歩くのがイイんだ、と。
 

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