2013年12月27日

門人随想 「マルコの稽古日記」その2

  「健康クラスもアナドレーヌ」   
               
               by マルコビッチ
(所属:全クラス制覇中っ!)


ちょっと前回との間が開いてしまいました。
もちっと、ちょくちょく連載する予定でしたが、まあ自分の都合やら編集室のご都合やら、何やらがいろいろとあったりして。( ̄(エ) ̄)ゞ ダハハ・・


さて、マルコは最近、「健康クラス」に参加させて頂くようになりました。
初めは、「健康クラスってどんなコトやるんだろう??、呼吸法とか、ちょっとした気功法みたいなコトをやるのかなぁ?」なんて思っていたのですが、そんなこと思ってたマルコってバッカジャナァ〜イ!と叫びたくなるほど、実際にトンでもない(!)クラスでした。

・・と言ってもモチ、普通に柔功、圧腿、歩法もやりますし、対練もやります。
聞くところによると「武器」もやるのだとか。
武器ったって、表演用のペラペラのヤツを振り回して套路をやるんじゃなくて、ホンモノの ”軍用トレーニングナイフ” を使って、老若男女が自由に攻防を繰り返したりすると言いますから、これがホンマに健康クラスかいな?・・( ̄ェ ̄;)


稽古時間はおよそ1時間半から2時間です。普通のクラスよりも遥かに少ないけれど、その分、その時の課題がはっきりとシンプルに理解できるんですよね。
え?、フツーはそのくらいの練習時間だよって?──────────
ウチは一般クラスが最低でも4時間、下手をすると5〜6時間になることもあるので、健康クラスの稽古は、あっという間に過ぎていきます。

けれども、特筆すべきは、その内容です。
「ちょっと、ちょっとぉ〜、そんなコト言ってもいいのォ?」と思えるようなことを、師父がごく当たり前の顔をして、平然と仰っているではありませんか!!
それも、ジツに細かく、わかりやすく説明して下さっていて、本当にビツクリでした。
これは「健康クラス」という名の、実に高度な太極拳原理を教えていただける、日曜日とはまた内容の異なる「特別クラス」なのだと思いました。


感動したマルコは、稽古が終わってから師父に、

『健康クラスって、スゴイことやってるんですね。健康クラスと言うよりも、これはスペシャルクラスというべきですね!!』

・・と、お聞きしました。すると師父は、


『いやいや、こういうのが本来の健康クラスなんだと思うよ。人間が健康でいられるためには、人間本来の在り方、まずは二足歩行をする人間として、本来のあるべき位置で正しく立てる、歩ける、というのがいちばん大事なことなんだよね。

よく見かける、身体や心を整えていくプロセスを省いて、ハイ、身体をユルめて〜、ゆったりと呼吸をして〜、もっと気を集めて〜、それを身体の隅々に流して〜・・・・みたいな、何処かで聞いたような事だけをやるのは、勿論それなりに気持ちは良くなるのかも知れないけど、果たしてそれで本当に ”健康” になるのかというと、気を感じただけで健康になる、という科学的根拠はどこにもないんだよね。

そういった健康法では、決まってストレスを減らしましょうとか、ストレスの無い生活を心掛けましょうと言うみたいだけれど、そもそも人間の心と体は常に様々なストレスを受けている状態が自然なのであって、人はストレスがなければ動けないし、成長しても行けない。植物だって、動物だって同じなんだと思います。私たちは重力というストレスがあるから大地にに立って生活していられるんだし、大自然の営みはすべてストレスが存在することで循環していると思えるんだよね。そういうことを理解して、その自然の営み自体を受け容れた上で、きちんと自分とつきあって行くことで、はじめて本当の健康が手に入るんだと思うんですよ。

だから、ウチの健康クラスでは、研究会でやっているような内容までやります。
その結果、武術なんか全く知らなかった、長年のあいだ難病で苦しんで来られた六十歳の女性が、若い門人を正しい発勁で軽々と吹っ飛ばしたりするようなことが起こるんです。
そのご病気も、入門してから劇的にどんどん良くなっていると言うから、ご本人より私たちの方が驚いているんですよ──────────』


・・などと、心から納得できるお話を伺うことが出来て、いつもながら全くブレることのない、師父の武藝を追求される姿勢をしみじみと感じることが出来ました。


───────というワケで、師父はマドレーヌがお好きですが(なんのこっちゃ)、
うちの健康クラスも、決してアナドレーヌ!!・・というお話でした。


                            つづく ( ̄(エ) ̄)v



     
     【健康クラスのスナップ。60歳の女性が若い門人を吹っ飛ばした瞬間】

disciples at 19:00コメント(11)門人随想  

コメント一覧

1. Posted by 円山玄花   2013年12月30日 18:15
確かに健康クラスは侮れませんね!

目的は健康な心身を手に入れること。
その為に、「本当の健康とは何か」というところから始められているところが、
「本当の武術的な強さとは何か」というところにも通じているのだと思います。
だからこそ、その為の稽古で大きい人を吹っ飛ばせるような身体が手に入ってしまう。

たとえば健康クラスでは、自分に生じた不具合や障害を、回避したり排除したりするのではないと教えられることと同じように、敵に対しても回避したり排除したりするのではないと教えられますね。
このように、どの部分を取り出してみても、共通点どころか健康を手に入れるのも武術を手に入れるのも、その二つは同じであるということを思い知らされます。
まさに、太極拳は相対する二つのものの関わりを示してくれていて、
それは、自分という存在の在り方を、教えてくれているのだと思います。

来年は、健康クラスも更にパワーアップするような予感がします。
またぜひレポートの記事をお願いします!
 
2. Posted by とび猿   2013年12月30日 22:02
私も健康クラスに参加させて頂いたことがありますが、非常に高度で丁寧な稽古でした。
もっとも、目的が健康であれ何であれ、太極拳を学ぶのであれば、
正しく学ばなければ本当の効果はないと思います。
武藝館の門人は、どのクラスに所属していても、学ぶ姿勢は変わらないですね。

本年も一年、ありがとうございました。
 
3. Posted by taka_kasga   2013年12月31日 06:57
健康を目的とする太極拳なんだから武術的でなくても良い、
あるいは、それが武術的でないのはアタリマエじゃないか、
などというハナシを聞くことがありますが、
それは大きな誤りだと、ぼくは思います。

本物の太極拳はとんでもなく武術的であるのが当たり前ですし、
それが本物の内容を持つ太極拳でなければ、
一体どうやって太極拳を健康法に結びつけることが出来るだろうか、と思います。

その太極拳が「ホンマモン」であれば、
武術的な強さは勿論のこと、
工夫次第で、大いに健康に役立たせることも出来るはずです。

難病の方が ”武術としての太極拳” をやったお陰で元気になるなんて、
本当に素晴らしいことだと思います。
 
4. Posted by 太郎冠者   2013年12月31日 18:51
研究会所属の人間が聞いても、「えっ?」と驚くような内容が、
健康クラスでは紹介されていたりしますからね。

内容の高度さもあるのでしょうが、やはり考え方から追求していく、というのが大きいように感じます。

そもそも武術家として強くなるうえで、身体が健康であるということは、当たり前に必要だと思いますし。

先日久しぶりに会った某空手をやっている友人が、訓練でボロボロになった拳や足の怪我の話を自慢げに話していたのですが、
それってからだを痛めてるわけで、戦いのときには不利なんじゃないの?
とは、思いながらも酒の席では言えないのでした・・・(笑)
 
5. Posted by ユーカリ   2013年12月31日 20:46
今まで、ストレスから逃げたい、できるだけ避けたい、と思ってきていた自分に気づかせて頂きました。

>私たちは重力というストレスがあるから大地にに立って生活していられるんだし、大自然の営みはすべてストレスが存在することで循環していると思えるんだよね。

全ての物との関わりの中での循環を受け入れることができなかった故に、自分中心の生き方に偏ってしまったのだと今のこの状態を深く反省しています。
これを繰り返すことなく、進歩できるよう、周りとの循環や感謝を感じられる状態でいられるよう、今この時に変わりたいと思いました。

来年もマルコさんの、楽しく濃い記事を楽しみにしております。良いお年をお迎えください。
 
6. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:51
☆皆さま

明けましておめでとうございます。
昨年末にはお忙しい中コメントを頂いたにもかかわらず、年内にコメントの返信が出来ずにすみませんでした m(__)m
こんな具合に、今年もトロトロしているかもしれませんが、皆さまどうかどうか暖かい目で見守っていただきますよう、本年もどうぞよろしくお願い致します。
 
7. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:53
☆玄花さん

本当にその通りですね!
いやいや玄花さんがパワーアップされているようで・・・
いつも勉強させて頂いています。。

どのクラスでもホントのことを求めていく上で、いつも”考え方”の違いと修正が必要だと感じます。
そして健康クラスで学んでいると、リアルに日々の生活と重ねて考えられる事が出来、とても勉強になります。
今年もご指導のほどよろしくお願い致します。
 
8. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:54
☆とび猿さん

太極武藝館ではこの”正しく学ぶ”為に、師父が根気強く本当に根気強くホント〜〜ウにコンキヅヨクご指導してくださっていますね。
”正しく学ぶ”と言うことが、健康クラスでも丁寧に行われていると思います。
その為に、病気の方が健康になられたり、大きな男の人を飛ばしたり(コワイコワイ)、素晴らしい成果が見られて大変嬉しいです (*^_^*)
マルコも頑張らなくっちゃ!!
今年もよろしくお願い致します。
 
9. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:55
☆春日さん

私も健康クラスに参加させて頂くまでは、健康と武術は別の次元で考えていました。
春日さんの仰るとおり、それは大きな誤りでした。
でも、それはあくまでも「ホンマモン」であればこそですよね!

春日さんももしかしてお正月休みでしょうか?!
オーストラリアのビーチでビール飲んでるのかなあ・・・
今年もよろしくお願い致します。
 
10. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:56
☆太郎冠者さん

ホントに「えっ?」・・ですよね!
マルコも耳を疑いましたよ!

格闘技をやっている男性は、怪我を勲章にしている人がいるって聞いたことがあります。
そういう人にはきっと言葉で言っても伝わらないかもね。
やっぱそのお友達にも実際に体験してもらうしかないんじゃないかな?!

今年もよろしくお願い致します。
 
11. Posted by マルコビッチ   2014年01月02日 14:58
☆ユーカリさん

ストレスがないようにないようにしていると、ややもすると自分に対して過保護になってしまいますよね。
そして回避できなかったちょっとしたことをストレスに感じて、ダメージを受けたりして・・現代人には多いかも知れませんね。
自分にとって、何がストレスなのか、その結果どうなるのか、そんな自分の状態がどうしてそうなっているのかを見ていくようにした方が良いかもしれません。
マルコも最近気が付きました。。。
今年もよろしくお願い致します。
 

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