2012年05月24日

門人随想 「武人に学ぶ ① 〜昭和の武蔵・國井善弥〜」

                    by マガサス (一般武藝クラス)



プロローグ


 日本は、数多くの優れた武術家を輩出していることが世界に知られています。
 私はこれまでに太極拳しか知らず、それも太極拳の歴史や流派のこともロクに知らないまま太極武藝館に在籍し続けてきたのですが、円山洋玄師父がお若い頃に居合や空手なども学ばれたことがあり、また師父の御尊父が、かの本部朝基より琉球唐手を学ばれた事などを知るにつけて、他の武術や武術家にも興味を持つようになり、それらを出来る限り勉強をしていこうと思い立ちました。
 すると、思いもよらなかったことが明らかになってきたり、これまで常識として分かっていたつもりであった事も大きく覆されたりしてきたので、それらを「ブログ・タイジィ」の読者の方々と共有させて頂こうと思ったのです。

 今回ご紹介する鹿島神流・第十八代宗家の「國井善弥(くにい・ぜんや)1894〜1966」先生も、私がとても感動した武術家のひとりで、その圧倒的な実力から、「昭和の武蔵」や「今武蔵」などと呼ばれた、武藝の達人として知られる人です。

 鹿島神流(かしましんりゅう)は茨城県鹿嶋市の鹿島神宮に古くから伝わる剣術と柔術を中心に伝承する、棒術や槍術、手裏剣術まで存在する日本の古流武術で、その剣術は、鹿島神宮の祭神である武甕鎚大神(タケミカヅチノカミ)が、悪い神々を鎮める際に用いた技法である「鹿島の太刀」を根本とし、剣術の他にも武甕鎚大神が建御名方神(タケミナカタノカミ)との力比べの際に使った技法が柔術の「霊気之法」として伝えられている古い流派です。
 國井善弥先生は、その宗家を受け継ぐ第十八代の実力者で、幾多の他流試合を相手が望むままの形式で勝ち続け、生涯不敗という圧倒的な実力を持った武藝の達人でした。


GHQの占領政策と日本武道


 さて、日本が大東亜戦争(戦後は”太平洋戦争”の名で教育されてきましたが)に敗れて、戦勝国アメリカGHQの政策によって、日本の伝統古流武術は無論のこと、柔道、空手、剣道など、スポーツ武道に至るまで全面的に厳しく禁止された時期がありました。

 GHQとは、ご存知の通り General Head-quarters、連合国総司令部のことであり、ポツダム宣言では「連合国占領軍」と表現されています。

 そのGHQが考えた日本占領政策は、いわゆる「3R・5D・3S」というもので、その内容は以下のような、”愚民政策” と呼ぶべき、怖ろしいものでした。

 <3R>
  Revenge(白人にタテ突いた国、日本への復讐と報復を行う)
  Reform(日本をアメリカにとって都合の良い国となるように改造する)
  Revive(日本をアメリカの属国として復活させる)

 <5D>
  Disarmament(武装を解除させる)
  Demilitalization(非軍国化にする)
  Decentralization(財閥を解体する)
  Democracy(民主化を進める)
  Deindstrialization(非工業化を行う)

 <3S>
  Sports(日本武道を禁止し、西洋のスポーツを奨励する)
  Sex(性を開放し、淫らな風潮を促進して日本国民の精神を堕落させる)
  Screen(凡俗なTV番組や映画を横行させ、アメリカ映画を娯楽産業として振興する)

 果たしてこれを知る日本人は現代にどれほど存在するのでしょうか。
 日本の戦後が、このようにして造られてきたのだと思うと、たいへん愕然とします。

 ついでながら、5Dにある「非工業化」というのは、朝鮮戦争の勃発によって物資供給のため日本の工業力を再生する必要が出てきて少々軌道修正がなされましたが、その際、輸出用の工業製品は今のように Made in Japan とは表記されず「Made in Occupied Japan」つまり「占領下の日本製」と刻印されました。これほどまでに他国に辱められたのは、日本の歴史が始まって以来のことでした。

 前述した「大東亜戦争」という日本の正式な名称も、GHQによってあらゆる出版物や放送局が厳しい検閲を受けたときに、強制的に「太平洋戦争」という呼称に改められました。
 因みに、今日広く使われている「太平洋戦争」という名称は実はGHQ独自の造語であり、実は米国や他の国々でも使われたことがなく、海外では「Pacific Theater(太平洋戦域)」や「War with Japan(対日戦争)」と呼ばれるのが普通です。
 そこには日本が欧米列国の植民地支配からアジアを開放し、新たな国際秩序を建設しようとする「大東亜共栄圏」の構想に基づいて行った戦争であることを、何が何でも否定するというアメリカの姿勢が現れていました。


 さて、「武道」と名の付くものは当然「武装解除」の項目に該当するので、終戦から三ヶ月目に、ありとあらゆる日本武道を全面的に廃止せよとの命令がGHQから出されました。

 剣道を例にとれば、終戦の年である昭和20年(1945年)11月6日には、剣道が半民主的なものであるとしてGHQが学校教育の剣道を一切禁止し、警察における剣道の訓練や社会体育としての剣道も禁止され、1.300名余りの剣道関係者も同時に「公職追放」の処分に遭いました。当時は、たとえどんな小さな町道場で武道を教えていても、独りで庭で稽古をしていても、見つかり次第どんどんGHQに逮捕されていったのです。
 
 やむなく剣道界は苦肉の策として、防具を西洋のフェンシング用のものとそっくりに作り直し、竹刀は従来の四つ割りの竹を八つ割にして柔らかく撓(たわ)むようにし、フェンシングのルールで行う「撓(しない)競技」というものを新たに考案しました。
 しかし、声を出すのは日本兵の突撃をイメージするからと禁止し、打ち込むときの気合いや掛け声も禁止、奇妙な竹刀を用いて、無言での稽古が辺りを憚りながら密やかに行われるようになったのです。
 

笹森 順造(ささもり・じゅんぞう)


 そのような占領下の状況であった日本に、何とか日本の武道を復活させようと身体を張ってGHQと交渉を続けた国会議員が居ました。その人の名は笹森順造。青森県弘前藩の出身、青山学院大学の学長も務めた人で、小野派一刀流剣術宗家の師範でもある人です。

 笹森順造は、日本の武道を守るために何度も何度もGHQに掛け合いました。
 以下は、その折の会話の様子を再現したものです。


笹森:日本の剣道は、相手を殺すための武道ではなく、精神の成長を促すものである。

GHQ:そんなものはあるはずがない。武道は敵に勝利を修めるための戦いの技術のことだ。
武道を英訳すれば ”Martial Arts” 、すなわち ”勇猛なる軍用戦闘技術” という意味になる。

笹森:そうではない。日本に於いては武道はただ敵に勝つためのものではない。それは人間が成長するための高度な文化なのだ。アメリカと日本とでは考え方や文化が違っている。
日本武道は、たとえ敵であっても相手を敬い、その真髄を究めれば自分を殺そうとしている相手に対しても、戦いの空しさや無意味さを悟らせてしまうものだ。日本武道の精神と高度な技術は、あえて敵を打ちのめさなくとも自ずと敵を心服させてしまうものだ。

GHQ:ワハハ、私たちはそんなバカな話は信じない。それは笑うべき戯言(たわごと)だ。人間が精神論だけで強くなれるのなら、兵士たちは何も苦労はしない。
だが、それほど日本の武道が優れていると言うなら、実際に証明してもらおうではないか。
何であれ、それが実際に証明されない限り、我々アメリカ人は何も信じない。

笹森:よろしい、日本の文化の高度さを、日本人の魂を、実際にご覧に入れてみせよう。

GHQ:ほう、それは面白い。それでは実際に証明してもらおうか。
ただし、条件がある─────────剣道と戦う相手は米国海兵隊の銃剣術の教官にする。彼に勝った者はいまだかつて存在していないがね。そして、その戦いに際しては本物の剣を付けた銃剣を用い、相手の日本人はその場で殺されても文句は無いこととする。
日本側には、GHQの目から逃れて日本武道を復活させようと、”竹刀競技” などと称して密かに行っているようだが、その改良型の、柔らかい竹刀に布を巻いたものを使ってもらおう。
どうだ、それでも証明できるかね?

笹森:よろしい、それで結構である─────────────────


 しかし、そう答えたものの、笹森の心中は決して穏やかではありませんでした。

「この勝負は、日本人の誇りと名誉が問われる、非常に重要な一戦となる。ここで絶対的な勝利を得なければ、日本人は将来、二度と日本の武道を学べなくなるに違いないし、日本人の崇高な魂もどんどん萎縮していってしまうに違いない。
 しかし、木刀が使えるならまだしも、あの玩具のような竹刀で本物の銃剣に立ち向かはなくてはならないとは・・・いったい誰がそのような大任を果たしてくれるだろうか?」

 笹森は、悩みに悩んだと言います。

 そのとき、笹森の脳裏に浮かんだ一人の武道家が、國井善弥でした。
 剣の世界では「今武蔵」と讃えられ、腕に覚えのある多くの武術家たちに他流試合を請われても一度も敗れたことがなく、剣の世界に限らず、柔道、空手、鎖鎌、薙刀、棒術などの高手を相手に、彼らが望むとおりの形で試合を行い、生涯不敗、そのすべてに勝利を修めていたのです。

「うむ、この人物をおいて、この任務をこなせる人は他に居ないはずだ─────────」

 笹森は國井のもとを訪れて、GHQとのこれまでの経緯を説明しますが、國井は意外にも、笹森が呆れるほど気軽に、「・・ああそうですか、良いですよ」と、ふたつ返事でそれを引き受けたと言います。


決戦の日


 さて、いよいよ、その日がやって来ました。

 國井善弥が、GHQ指定の試合場にやってきました。
 飄々とした足取りで、衣服も普段のままの、真っ白な稽古着を身に着けています。

 相手となるアメリカ海兵隊の教官は体格で勝り、國井よりも二回りも大きく思えるほど大きく、不敗ということが真実と思える、いかにも強そうな相手で、手にしている銃剣の先には鋭利な本物の剣が付いています。
 
 國井が渡されたのはGHQが指定した、まるで釣り竿のように柔らかくしなる竹刀。

 日米の関係者が集まり、固唾を呑んで見守る試合場は、シンと静まり返っています。
 
 いよいよ二人が試合場に上がって、3メートルほどの間合いで相対しました。
 
 國井が、対戦相手であるアメリカの教官に対して丁寧に頭を下げて礼をし、竹刀を中段に構えようとしたその瞬間────────────相手の教官はその銃剣を國井の喉元に目がけて、目にも留まらぬスピードで素早く鋭く突き出してきました。

 國井は、すかさず半歩下がって、この攻撃をスッとかわします。
 
 しかし次の瞬間、海兵隊の教官はそのまま銃剣を回転させながら、銃床(銃剣の基底部)を國井の頭部目がけて、さらに素早く打ち付けてきました。

 これが銃剣術の攻撃方法です。
 まず銃の先に付けた剣で突いておいて、それを相手が避けた瞬間に、銃の底で相手の頭を打つ。こうされると、なかなか躱(かわ)せるものではありませんし、何千回、何万回と訓練を重ねてきたであろうその攻撃は、目では捕らえられないほど素早いものでした。
 
 しかし國井はその鋭く素早い攻撃に対し、半歩前進しながら柔らかく体を使って躱し、相手の動きに合わせて、後頭部に竹刀をそっと触れるように当てながら、スーッと教官を床に押さえて倒してしまいました。

 俯せに、四つん這いになって倒されたアメリカの教官は、その姿のまま後頭部を竹刀で押さえられ、立つことはおろか、身動きを取ることさえ出来ません。

「勝負あり、それまで!!」

 審判であるアメリカ軍の兵士の声が会場に響きます。

 この勝負は、立ち合ってから、ほんの一瞬で決まりました。
 それも、相手にまったく怪我をさせず、
 そうであるにも拘わらず、相手はまったく動けず──────────────

 その圧倒的な武術の実力差を目の当たりにして、相手の教官も潔く敗北を認めました。

 そして、國井善弥という武術家が、米軍海兵隊の武術教官を一瞬にして破ったことと、銃剣と一太刀も合わせぬまま、全く相手の銃剣に触れないままに敵を這いつくばらせ、動けなくした事実は、アメリカの軍部や兵士たちの間に衝撃と共に伝えられたのです。

 そして、この試合をきっかけにして、GHQやアメリカ軍部に、
 「日本の武道は、潰してしまうには余りにも勿体ない、非常に高度な文化である」
 という考えが広まっていき、後年の日本武道復活の大きな力となったのです。

 この一戦は、宮本武蔵と佐々木小次郎の巌流島の戦いに擬(なぞら)えて、昭和の巌流島と呼ばれたそうです。「昭和の武蔵」と呼ばれた達人が、かつて日本武道の危機を救ったというお話でした。

                                 (了)



【資料映像:鹿島神流第十八代宗家・國井善弥】


     
 
     

disciples at 21:10コメント(18)門人随想  

コメント一覧

1. Posted by 円山玄花   2012年05月26日 02:37
心温まる、佳いお話をありがとうございました。
自国の文化・歴史を知らない日本人が増えた、とはよく耳にする言葉ですが、
太極拳というお隣の国の文化を日本で昇華させようという私たちは、もっともっと色々なことを
勉強する必要がある、と思います。馬鹿のひとつ覚えのように「基本功、キホンコウ」と念じながらグルグルやっているだけでは、太極拳の全体はいつまで経っても見えてきません。
そのような意味でも、今回のお話は皆さんに良いきっかけを与えてくれるものだと思います。
次回も楽しみにしています。
 
2. Posted by ゆうごなおや   2012年05月26日 11:29
>「・・ああそうですか、良いですよ」と、ふたつ返事でそれを引き受けたと言います。

爽やかですね。その精神状態はどのようなものだったのか。想像もつきません。
自分が試合に臨むときには、アドレナリンスロットル全開に無理にでもしていたものですが...
全く違うのでしょうね。

実は、稽古の合間に師父が話してくださる武術家たちの話が楽しみなんです。
このシリーズ続けていってください。楽しみにしています!
 
3. Posted by まっつ   2012年05月26日 12:58
まるで爪楊枝を振るようにも見えるくらい、
恐ろしく無造作に刀を振っておられますね・・・
切られてから分かる剣とは、
このように振るわれるものなのかと慄然としました。

原日本人の求めた世界を垣間見る事ができました。
省みると自分は全然駄目だという事が分かり、
ある意味ありがたいと思いました。

続編を楽しみにしています。
 
4. Posted by bamboo   2012年05月28日 00:25
話だけはテレビで見たことがありましたが…
立ち合いが、国や社会にこんなに強い影響をあたえるように、
我々の日常も、大切にされるべきもののはずですね。
武術を学ぶ者だからこそ、いま身を置く場所でやれること。
テレビに出たいとは思いませんが、自分の葬式くらいには
「あの方のおかげで…」と言ってもらえるような何かをやりたいものです。
 
5. Posted by tetsu   2012年05月28日 09:49
國井善弥氏は私の好きな武道家の一人です。
改めて映像を拝見すると、その軸の強さと身体の軽さを感じますね。
日本で「実戦的」といわれた武道家の映像が残されていて、
このように見られるのも大変貴重ですね。
自分も今後色々研究し稽古に臨んでいきたいと思います。
 
6. Posted by マガサス   2012年05月28日 20:02
☆玄花さん

コメントをいただき、ありがとうございます。
私を含めて、今の日本人ほど自分の国のことを知らない国民は居ないんじゃないかと思います。
日本人が自国の文化や歴史を知らない、というか、戦後そういうふうに教育されてきたという
背景があるのに、誰もそれにあまり関心を示さない。
こんなに騙しやすい国民は滅多にないのではないかと思います。
これではいつ狡猾な他国に侵略されてもおかしくありませんよね。
高度な太極拳の奥義をしっかり学んでいけるような、
そんな高邁な精神性を持つ国民がどんどん増えていくことが、
二度と侵略を許さない、支配を許さない、騙されない、
真に平和で力強い、安心して暮らせる国を造っていくことだと思います。
次回もがんばって書かせていただきますっ!!
 
7. Posted by マガサス   2012年05月28日 20:11
☆ゆうごなおやさん

コメントをありがとうございます。
平和な時代における個人のスポーツ競技試合と、国家の命運を懸けた試合とでは当然何もかも違うはずですが、そこに存在する武術性というのは、本来何も異なるものではないと思います。
平常心是道、などと禅でも武道でもいわれるように、何ものにも動じないだけの厚みのある精神性を養うことのできる環境や学習体系、そしてそれを教えてもらえる指導者の存在こそが、私たちがそれを得る唯一の道なのだと思います。
 
8. Posted by マガサス   2012年05月28日 20:21
☆まっつさん

コメントをありがとうございます。
確かに、まるで無造作にブンブンと剣を振っているかのように見えますね。

斬られてから、はじめて斬られたと分かる剣、
打たれてから、ようやく打たれたのだと分かる拳、
私たちが稽古で経験すること、そのものでもありますね。

日本の武術や武術家が、如何に優れていたか、
それをこれからも書いていきたいと思います。
 
9. Posted by マガサス   2012年05月28日 20:33
☆ bamboo さん

コメントをありがとうございます。
そう、このエピソードはかつてテレビ放送もされたそうですね。
ひとつの立ち合いが、国家や社会に多大な影響を与えていくということは、
私たち日本人のひとりひとりが、ものごとの本質を見極められる眼を持ち、
強く逞しく生きていけることが求められているということだと思います。
かつて特攻隊で出撃して行った年若き少年たちが命懸けでこの国を救おうとしたように、
決して特別な人が国を救うのではなく、誰もがその精神性を養っていこうとすることが、
何よりも今日の時代に求められているように思えます。
 
10. Posted by マガサス   2012年05月28日 20:47
☆ tetsu さん

コメントをありがとうございます。
これからも、このような方を紹介していきたいと思います。
スゴイ武術家や、この人こそは、と思われる人をご存知でしたら、
ぜひお知らせ下さい。
 
11. Posted by とび猿   2012年05月28日 22:51
現代まで伝統藝能が継承され、発展してくる過程には、
沢山の危機があり、大変な困難があったと思います。
しかし、武藝館に入門するまでは、そのようなことはあまり知りませんでした。
現在も、伝統藝能の世界と一般的な生活やスポーツ、金儲けの世界等との垣根が曖昧になり、
伝統の文化は大きな危機に瀕しているように思われます。
この文化を守り、発展させていく為に尽力された先輩方の精神をもっと学ばなければ、
分かるもの分らないと思います。
このシリーズの続きを楽しみにしています。

12. Posted by 太郎冠者   2012年05月29日 02:27
なにやら興味深いエピソードがどんどんと出てきそうですね!
日本には、優れた武人の話がたくさんありますね。
大陸のように広い国土、人口を持つならいざ知らず、このように小さな島国の中のことだということを考慮すると、いやはや日本は武術大国かもしれません。

しかし、現代の日本はどうなのでしょう。アメリカ在住の知り合い(日本人の武術修行者)から聞いた話によると、日本の古流武術の伝承が、少しずつ海外に移っているらしいのです。
これは日本の武が海外にも広まったというよりも、現代日本の、精神性の低さを表しているように思います。

我々は大陸から伝来した太極拳を学んでいるという違いはありますが、日本で培われた武藝の話を聞き、もっと勉強することは非常に意義深いことだと感じます。
楽しみにしています。
 
13. Posted by ユーカリ   2012年05月29日 11:52
大変勉強になりました。ありがとうございました。
今まで、日本の歴史や武術について等々、見向きもせずに過ごしてきてしまいましたが、記事と國井先生の映像を拝見し、やはり正しく日本の歴史や武術の背景を知り、そこに在った方々とチューニングをする事は、今後私たちが太極拳をという枠を超えて在り方を追求してゆく上で、大変重要な事だと痛感しました。
生きる事への向かい合い方が、この記事をきっかけに変わりそうな気がします。
次回も楽しみにしております!!
 
14. Posted by マルコビッチ   2012年05月30日 10:06
日本占領政策とは・・・師父からこのようなお話はお聞きしたことはありますが、このように具体的に内容が記されているのを見るのは初めてです。
今の日本の現状を見ると、”まんまと・・”って感じで、少なからずショックです。
それに、「大東亜共栄圏」の構想に基づいて・・って、日本人ってすばらしい民族ですね!!! 
私は知らない事が多すぎますね! 
知らなかったことを知るって、考え方が変わったり広がったりしますね。
もっといろいろと勉強せねば!!

今の日本にも、笹森順造さんのような国会議員が10人位ほしいです。
当時の状況でのこのような行動は、まさに命がけだったのではないでしょうか?
現首相も政治生命かけるなら、もっと日本人としてでっかいことに懸けてほしいです。

國井善弥氏の動きは、軽くて居着いていず、斬る前に終わっている。 というように見えました。
ものすごい稽古を積んでこられたことが私でもわかります。
頭で考えがちな自分にとって、身体で稽古をする、身体で稽古を積んでいくことの必要を感じました。
いろいろと勉強になります。
次回も楽しみにしています。 ありがとうございました!
 
15. Posted by マガサス   2012年05月30日 14:24
☆とび猿さん

コメントをありがとうございます。

>伝統の文化は大きな危機に瀕している

将しくその通りだと思います。
ちまちま金儲けをして、暮らしが豪華になればそれで良しとする人が増えたんでしょうね。
武術もまた金儲けの道具となっている昨今は、伝統文化を大切にすることよりも、
伝統文化が如何にビジネスとなり得るかを工夫する人も多くなりました。
いつも師父が嘆かれるように、この世界では、
名利を求めず「道」に生きる人の、何と少なくなったことでしょうか。
 
16. Posted by マガサス   2012年05月30日 14:30
☆太郎冠者さん

コメントをありがとうございます。

>日本は武術大国

いいですねー、「武術大国」ニッポン・・・とっても気に入りました!!
経済大国であって武術大国、マナーでも世界トップクラスですから、
ついでに「マナー大国」とでも名付けましょうか。
私としては、もっと若者の活気溢れる「バイタリティ大国」になってほしいですけど。

通勤ラッシュで満員電車に乗り込むサラリーマンを、
日本に観光に来た中国人がわざわざ見物に来る、って話を聞いたことがあります。
警察の「電撃棒」がなくても誰もがきちんと整列して電車を待ち、列に割り込む人もいない。
電車が止まったら、まず降りる人が先に降りた後に、待っていた人が電車に乗る。
車両の中では大声で話したり、携帯で大声で話したりせず、乗客はみんな静かに乗っている。
誰にそうしろと言われたわけでもないのに、誰もが自然に、普通にそうしている。
・・・これが、彼らにとってはとても珍しい、不思議な光景なのだということで。(笑)
でも、バイタリティでは明らかに中国人や朝鮮人に負けてますね。
温和しすぎる日本人は、アジアで、世界で、完全に舐められてしまっています。
コリャァ、ナントカセニャ、イカンデス。

>日本の古流武術の伝承が、少しずつ海外に移っているらしいのです

それは情けない話ですね。
そんな内容で、思うところをブログに書かれては如何ですか?

>大陸から伝来した太極拳を学んでいるという違いはありますが

太極拳は、確かに大陸から来たものですが、
かつて仏教文化を学びに行った僧たちが、もう充分だ、もう経典は充分に写してきたから、
今度はそれを日本の文化として、日本の仏教を造っていこう、と考えたように、
やがて太極拳も日本人の手によって文化として成長し、大きく昇華していくのだと思います。
 
17. Posted by マガサス   2012年05月30日 14:47
☆ユーカリさん

コメントをありがとうございます。
そう言って頂けると、とても嬉しいですね。

私も日本の歴史や日本の武術について、ほとんど何も知らずにココまで来てしまいました。
よく、日本のことを一番知らないのは日本人だと、外国の人が言うように、
私たちは、私たちの歴史や文化をもっときちんと知らなくてはならないのだと思います。

師父が「コメントを書くことも、稽古として書きなさい」と仰るように、
せっかくこのブログのスタイルが、私たちにも自由に書けるようになっているので、
もっと門人たち皆で様々な思いを書いていくことが大切だと思います。
 
18. Posted by マガサス   2012年05月30日 15:03
☆マルコビッチさん

コメントをありがとうございます。

今の人たちは、私を含めて政治オンチであり、政治アレルギーであり、
日本文化オンチで、戦争アレルギーなのだと思います。
それは、この記事に寄せられたコメントを見ても、
GHQに支配された事実に反感を持つ人が非常に少ないことを見ても分かります。

きっと知らず知らずのうちに「まんまと」そんなふうに教育されてきてしまったのでしょうね。
日本を辱め、貶め、日本を支配しようとする国家勢力が本当に存在するのだと、
これまでまったく政治の世界に鈍感だった私でさえ、そう思うようになりました。
これもすべて「龍の道」のおかげです。(笑)
笹森さんのような、命懸けで日本武道を救おうとするような政治家が、
いつの時代よりも求められているのに、今の政府や政治家の、何と貧弱なことでしょうか。
政治生命をアメリカのためのTPPに懸けているようでは、話になりません。

中国では文革以来、真の中国武術は目に見えて衰退し、真伝継承者は葬られ、
ただの「後継ぎ」だけが残ったと指摘する人もいます。
太極武藝館が果たす役割は、今後ますます大きいものになると思います。
 

コメントする

このブログにコメントするにはログインが必要です。

Categories
  • ライブドアブログ