2010年12月01日

連載小説「龍の道」 第58回




 第58回 綁 架(bang-jia)(9)


「降下準備 ────────────」

「降下準備よし!」

「降下開始、行けっ ──────────!!」

 山がすぐそこまで迫った卯澳漁港には、中型ヘリの着陸に適した広い場所はない。
 港の外れの、わずかに開けたスペースの真上に、地上約20メートルの高さでヘリコプターがピタリとホバリングし、二本のロープを伝って次々に隊員たちが降下してくる。

「Go, Go, Go, Go, Go・・・・・・・・」

 龍と刀の玄洋會のシンボルが入った迷彩服に身を固め、ライフルを手に、ヘルメットと防弾チョッキ、サングラスと無線のヘッドセットを装備した屈強な隊員たちが素早く防波堤を駆け抜け、係留された2艘の黒塗りのゴムボートに飛び乗っていく。

「急げっ ────────────!!」

 ゴムボートとは言っても、これはもう立派な小型艇である。表の社会では海運業も営んでいる玄洋會は、その活動が海上に及ぶことも多い。五,六人は一度に乗れそうなゴムボートには強力な出力を持つ船外機が2基装備され、前方には飛沫(しぶき)除けの大きなスクリーンまで着けられている。後部にはズッシリと武器が入った迷彩柄のケースが置かれ、台座にベルトで固定されている。

 その漆黒のボートが2艘、まるで戦闘状態に入ったコブラのように、舳先(へさき)を大きく擡(もた)げながら、凄まじい速さで外海に向かって走って行く。

「まもなく、漁船団の最後尾に接近します ──────────── 」

 やがて、先頭のボートに乗った宗少尉が、ヘリの陳中尉に報告した。

「了解。こちらからもよく視認できる。上からは依然として目標が確認できない。
 船団が巻き添えを食わぬよう、不測の事態に備えながら、一隻ずつ確認していけ・・・」

「Roger(了解)!!」

 陸(おか)では朝凪と思えた海も、外海に出るとかなり畝り(うねり)が高い。
 2艘のゴムボートは、大きな畝りの谷に降りては、また頂(いただき)へと登り、幾度となくそれを繰り返しながら船団の外側へと回り込み、近づいた所で二手に分かれて、隊列を組んで航行する漁船の群れの右舷側と左舷側から、一隻ずつ確認していく。

「見えたか ──────────?」

「いえ・・・それらしい人間は見当たりません」

「このウネリで、これだけの漁船の数じゃぁ中々見つかりませんよ。それに、まだ一匹の魚も獲っていないというのに、大漁旗みたいにでっかい旗をヒラヒラさせているから、乗組員の顔が見えにくくて仕方がないですね ──────────」

「やかましいっ!、暢気なことを言わず、黙って自分の任務を果たせっ!!」

「・・イ、イエッサー!!」

 宏隆の身を案じて一睡もしていない宗少尉が、ピリピリした声で部下を怒鳴る。
 どこの軍隊でも、不眠不休の訓練をする。宗少尉も海軍と玄洋會でそれぞれ三日間連続の不眠不休の訓練をこなしているが、そんな厳しい訓練よりも、今回実際に宏隆が拉致されたことについての煩悶の方が遥かに大きく、辛く苦しいものであった。

 漁船の乗組員を一隻ごとに確認していく作業は、思ったよりも手間がかかる。
 波に揺れる小さなボートの上から双眼鏡で見る視界はそれほど大きくないし、漁船は船縁(ふなべり)まで高さがあるので、海水面と同じ高さで走っているゴムボートからは見上げるような形になってしまう。それに、漁船の数は二十隻以上もあり、ひとつひとつ念入りに確認していくだけでも、かなり骨が折れることだ。

「三班はどうだ ────────────?」

「まだ確認できません。どの船を見ても、全部ただの漁船に見えてしまいます」

「くそっ、いちいち漁協に船名を確認するような暇は無いし・・・
 しかし、何かあるはずだ・・・必ず何か、普通の漁船とは違うものが ──────── 」

「宗少尉、聞こえるか・・・」

 ちょうどその時、ヘリの陳中尉から連絡が入った。

「・・はい、聞こえます」

「そこから前方へ九隻目の船が、ちょっとおかしな旗を揚げている・・・」

「どんな旗でしょうか?」

「NATO国際信号旗の ”T旗” 、タンゴ(Tang-gou)だ」

「タンゴ?・・それはおかしいですね、まだ操業海域にも入っていないのに」

「そうだ。間違えたのか、予め付けておいたのか、ともかく確認する必要がある。 
 登録船名は、HONG- YANG- 415(ホンヤン・フォー・ワン・ファイブ)・・・・
 Hotel, Oscar, November, Golf, Yankee, Alfa, November, Golf、数字の Fower,
Wun, Fife(フォウアー、ウン、ファイフ)、船籍は高尾だ」

「了解──────── "HONG YANG 415" を、至急確認します」

 言い終わらないうちに、もう宗少尉の乗ったボートはフル回転で走り始めている。

「宗少尉、T旗とは、どんな旗ですか?」

 陳中尉との会話を聞いていた若い隊員が、宗少尉に訊ねる。

「ああ、キミは海軍系じゃないから知らないか・・・丁度、フランスの国旗を180度逆さまに引っ繰り返したやつ。縦三色で、左から、赤、白、青となっている・・・・」

「その意味は・・?」

「本船を避けよ。本船は二艘引きのトロールに従事中・・・」

「ええっ、まだ操業も始まっていないのに、今からトロール従事中の旗ですか?!」

「だから不審なのよ。カタギの漁船なら、そんな間違いをするワケがない ────────── 」

「確かに・・・よし、近づいて確認しましょう!」

 2基の船外機が着けられたゴムボートは、驚くほどのスピードが出る。
 一刻を争う事態に、ろくにスピードが出ない乗り物ほど哀しいものはない。卯澳に出動する際、速度の出るボートを用意しておけと指示されたことが、どれほど重要であるかがよく分かる。

「宗少尉・・・今、ヘリから当該船に無線連絡をしたが、何も応答が無い」

「了解。ますます怪しいですね・・・」

「現在、他の漁船にも、あれが卯澳の船かどうか確認中だ」

「了解 ─────── 第三班、聞こえたか!?」

「はい、聞こえています」

「そのまま、ポート(左舷側)から更に接近せよ。二班は反対側から行く」

「イエッサー!!」

 宗少尉のボートは瞬く間に先頭集団に追い着き、スーッと速度を落とした。
 目の前の白い漁船の船尾に、鮮やかな青色でローマ字の船名が書かれている。

「HONG YANG 415 ・・・・これだな?」

「HONG YANG?・・ほう、 ”弘揚(ホンヤン)” とは、台湾の船にしては、如何にも取って付けたような名前だな」

「 ”415” というのも、船名の後ろに付ける数字にしては珍しいですね。普通はその船が二世や三世であることを示して、ひと桁で2や3を使うことが多いのに・・・」

「いや、あれこそ北朝鮮の特殊部隊が乗っている証拠だ。 415 は金日成(キムイルソン)主席の誕生日、4月15日の意味だろう。社会主義国は常にそういうものをありがたがって、主席が何処かの工場を視察しただけで、”728(7月28日)工場” などという名前が付くし、平壌(ピョンヤン)の街を猛スピードで走る人民軍や労働党の指導者たちの黒いベンツは、どれもナンバープレートの頭三ケタが ”415” だというからな・・・」

「はは・・・何だか子供っぽいな。まるで笑い話みたいだ」

 2艘のボートの間を、そんな会話が飛び交う────────────


「宗少尉・・・当該船のマストに ”タンゴ旗” を確認しました!」

「よし、拡声器を使って、乗組員は全員デッキに出て顔を見せるように言え!」

「高尾船籍の HONG YANG 415、HONG YANG 415 に告ぐ・・・此方は日本人誘拐犯を捜索中の海軍特殊部隊だ。容疑者の有無を確認するため、船長並びに船員は、全員デッキに出て顔を見せよ!!」

「繰り返す・・・HONG YANG 415 、HONG YANG 415 ・・・・」

「やはり、応じませんね ────────── 」

「陳中尉、顔を見せろという要求に応じないばかりか、何の応答もありません。
 ますます怪しいですね」

「やむを得んな。停船させて、顔を見せてもらおうか・・・」

「了解っ!」

「HONG YANG 415、停船せよ。停船しなければ、強制的に停船措置を執る!!」

「HONG YANG 415、HONG YANG 415、停船せよ!!
 すみやかに停船に応じなければ、走行機関を破壊して、強制停船を行う・・・・」

「一向に応じる気配がありません。これはもう、奴らの船に間違いないですね」

「宗少尉、他の漁船に確認が取れた・・・HONG YANG 415 は卯澳の船ではなく、徐と思われる人物が台南で修理して一時的に漁港に置いていた船だ。エンジンは巡視船並の強力なものに載せ替えてあり、試走を見た漁師たちの評判になっていたそうだ」

「ははぁ、逃亡用に改造したんですね。後部に見えるドラム缶は予備燃料でしょうか?」

「そのようだ、北朝鮮まで一気に突っ走るつもりだろう」

「さて、どうしますか ──────────── 」

「いま、漁船のリーダーにも事情を説明した。船団が巻き添えを食わないよう、全船が当該船から離れて待避すると言っている」

「了解。船団の安全が確認できるまで待機します!」

 卯澳の漁船団は、予定のコースを外して、大きく右へ迂回し始めた。
 だが、HONG YANG 415 も他の船と同じコースを取って、従(つ)いて行こうとする。

「陳中尉、HONG YANG は飽くまでも漁船団の中に紛れて航行するつもりです!!」

「仕方がない、近づいてスクリューを破壊しろ!!」

「了解。第三班、M72(携帯式のロケット・ランチャー)を準備 ──────────
 先ずは HONG YANG の後尾に付けろ!」

「イエッサー!!」

 波を蹴立てて、あっという間に三班のボートが HONG YANG 415 の後尾に付く。

「M72、発射用意!!」

「発射準備よぉし・・・!」

「おっ ────────── ?!」

 突然、船尾に2名の船員が走って現われ、ゴムボートに向かって手を振っている。

「待てっ!、発射中止!、スターン(船尾)に人影を確認、そのまま待機せよ!!」

「了解、待機します ──────── しかし、あれは一体、何をしているんでしょう?」

 二人とも此方に向かって、何かを説明しようとしているかのような仕草で手を振り、懸命に話しているのが見えるが、もとより、この海上では声が届くはずもない。

「少尉・・・乗員が此方に何か言いたそうなそぶりですが ──────────── 」

 しかし、どうしたものかと、三班のボートがほとんど静止しかかったその時・・・

「MOOVE!、MOOVE!、三班、動けっ!、武器を隠しているぞ!!」

 ヘリに居る陳中尉が、大声で叫んだ。
 船尾の足元に置かれた武器を、双眼鏡で確認したのだ。

 その、三班のボートが慌てて急発進したのと、ほぼ同時に────────────

「ズダダッ・・・ダダダダッッッッ・・・・・!!」

 いきなり二人の男が足元のライフルを取りあげ、ボートに向かって乱射してきた。

「Go, Go, Go, Go!・・・ジグザグに走れーっ!!」

 飛ぶように、銃弾の雨からフルスピードで逃れ、ようやく射程距離を脱する。

「全員、怪我はないかっ────────?!」

「三班!、三班っ!、聞こえるか?!、被害の報告をせよ!!」

「・・ふぅ、危なかった。陳中尉、人間は無事でしたが、船外機が一基やられたようです」

「くそっ、丸腰と油断させて、充分近寄らせてから撃とうとしたな。だが、もう奴らだということに間違いはない。遠慮なく船尾にロケット弾を撃ち込んでやれっ!」

「イエッサー!・・・見てろよホンヤン、すぐに立ち往生させてやる!!」

 しかし HONG YANG 415 は、力強くエンジンの音を呻らせ、素早く方向転換しながら、少し離れた所に居る三班のボートにグイと舳先(へさき)を向けてきた。

「おっと・・・突っ込んでくる気か ────────── ?」

「三班っ、いいからそのまま逃げるフリをしろ、こっちは後ろに回ってスクリューを狙う!」

「宗少尉、了解しました!」

 しかし、波を蹴立てて向かってくる敵の船は、思ったよりもずっと速い。
 
「わわっ・・こいつ、巡防艇みたいに速いぞ!!」

「宗少尉!、こっちの船外機が一基では、あっという間に追い着かれてしまいます!!」

「泣き言を言うなっ!、 目一杯スターボードしろっ!(Starboard=右に反転・面舵を取ること)、その隙にこっちから砲撃するっ!!」

「了解っ────────────!!」

「うおおっ、なんて速いんだ!、これじゃあ、今に踏み潰されちまうぞっ!!」

「もっと小さく回れっ!、いくら何でも、ボートの方が小回りが利くはずだっ!!」

 ──────── だが、敵は覆い被さるように、執拗に三班のボートを追いかけてくる。

「宗少尉、あれでは三班が危ない、牽制でM72を撃てっ!!」

「イエッサー!、ちょうど構えて撃つところです・・・!!」

「ズズゥゥウ────────────ンッッッ!!」

 宗少尉が放ったロケット弾は、HONG YANG 415 の舳先(へさき)のすぐ前で炸裂し、低い爆発音と共に、ズシャァ─────ッッと、巨きな水飛沫(しぶき)が揚がった。
 敵船は爆発の衝撃で大きく揺れ、速度が少し落ちたように見える。

「よーし、今のうちだ・・・・三班はポート(左舷)へ直角に付けて、敵船のハル(船体)ギリギリに牽制のロケット弾を撃ち込めっ!!」

「イエッサー!!」

「二班はスターン(船尾)に回り込むっ!!」

「了解っ・・・・!!」

「ズズゥ───────ンッッッ!!」

「うわあぁっ────────────!!」

 すぐ目の前で敵のロケット弾が炸裂し、その威力でゴムボートが転覆しそうになる。

「陳中尉、 HONG YANG から、ロケット弾の砲撃です!!」

「よし、幸い風も無い・・まず煙幕弾をブリッジ(操船室)付近のデッキに叩き込め!!
 スクリューを破壊するのはそれからだ!」

「イエッサー!!」

「三班っ!、敵船に近づいて煙幕弾をぶち込むから、援護しろっ!!」

「がってん、承知っ ──────────── !!」

 日頃からよほど訓練を積み、チームワークを学んでいるのだろう。2艘のゴムボートは、まるで双頭の龍のように、右へ左へとくねって各々の位置を自由に入れ替えながら、徐々に敵船に近づいて行く。
 こんな具合に動かれては、どっちのボートの、何処を狙ってロケット砲を打ち込めば良いのか全く見当がつかない。現に HONG YANG の甲板から盛んに放たれる砲弾は、ことごとく見当違いのところに落下しては、波間に巨大な水柱を立てている。

「行くぞっ ──────────── !!」

 もう、HONG YANG の船体が、すぐ目の前に大きく見えている。
 ロケット弾は、間近で撃てば自分の船に影響が来てしまうので、これだけ近づかれてしまっては、もう撃てない。
 甲板では、数人の男がライフルを構えて、ゴムボートを狙い撃ちにしようとしている。

「撃ってくるぞ、気をつけろっ!、ゴムボートは穴が空いたら一巻の終わりだ!」

「なぁに、先手必勝・・・こっちから先に撃ってやりますよ!!」

「ダンッ、ダン、ダン、ダンッッ ────────────!!」

「うぁっ・・・・・」

 不用意にも、デッキに立ってライフルを構えていた一人が、あっという間に倒れた。

「上手いぞ、伏(ふく)っ ──────── !!」

 いつか海軍基地で巧みな寝技を見せた、あの伏曹長である。

「サンキュー・サー、銃の腕は少尉ほどではありませんが・・・・」

 そう謙遜する伏曹長だが、かつて士林夜市で宏隆にナイフを向けた相手の手に、遠くから射的の弾を命中させて防いだことがある。

「こっちも行くぞっ、それっ ────────────!!」

 宗少尉が、スピードを上げたゴムボートの上から煙幕弾を撃つ。

「ボムッッッ・・・・!! 」

 敵船のデッキに煙幕弾が転がり、たちまち黒煙が濛々(もうもう)と立ち篭め始めたが、その煙の中を、ライフルを持った一人の男が這うような低い姿勢で駆け寄り、煙幕弾を馬鹿にするかのように海へ蹴り落とした。

「・・ふん、こんな子供騙しをしても、無駄だ ────────── 」

 男はそう呟くと、身じろぎもせず甲板に立ち尽くし、煙幕弾を発射した宗少尉に向かって、ピタリとライフルを構えた。


 ・・・・その時、ヘッドセットから陳中尉の声が聞こえてきた。

「宗少尉!・・いま、煙幕弾を海に蹴落としたのは、徐だ ────────────!!」



                                 (つづく)

taka_kasuga at 22:18コメント(12)連載小説:龍の道 | *第51回 〜 第60回 

コメント一覧

1. Posted by 太郎冠者   2010年12月02日 19:12
自衛隊では訓練で無駄弾を使えないので、ものすごい命中精度なんて話を聞きましたが、
ふと疑問に思ったのですが、実戦ではどの程度弾丸を使用して、どれくらい実際に弾が
当たるものなのでしょう。

映画の007なんかだと、ジェームズ・ボンドは無傷、敵には必中、おまけに無限マガジン?
といった様子ですが、あれはまぁ作りものとして・・・。
 
2. Posted by 円山玄花   2010年12月02日 21:13
本当に、映画を観ているようでした。(笑)
春日さんの小説を読んでいると、いつもそこに”たくましさ”を感じます。
絵画が二次元、彫刻が三次元の芸術だとすると、文章を読みながらも、そこに立体的な展開を
ありありと実感できるものは、四次元の芸術と呼べるのではないかと思ってしまいます。

ところで、陳中尉が不審な船を見つけて宗少尉に無線連絡をしたとき、
その登録船名を伝えるときに不思議な言い方をしていますね。
じっくり読んでみて、それらの言葉が船名のローマ字を伝えているのだということは
分かったのですが、やっぱり不思議です。
何か意味があるのでしょうか?
 
3. Posted by 春日敬之   2010年12月02日 21:40
☆太郎冠者さん
モノの本によると、昔の日本兵の歩兵銃の携行弾丸数は30発程度だった、と書かれていますが、
父から聞いた話では、前の帯革に左右各60発、後ろに120発ずつの弾丸を携行したそうです。
つまり、合計300発を携行したということですね。

現在の日米の兵士も2~300発程度は持って行くと思うのですが、一発が25gとしても5~7.5kgになり、加えて銃が4kg以上あるので、マガジンや他の装備を入れると、これはもうエラく重い持ち物になります。兵隊は走れることと、重い荷物に耐えられることが勝負ですね。

映画だと、盛んにオートモードで撃ち合ってますが、実戦ではライフルでも一発ずつ狙い撃ちに
することが多く、滅多にオートで連射することはありません。タマが切れたら終わりですからね。
・・で、実際にどのくらい弾丸が当たるのかは・・・・「人それぞれ」でしょうね。(笑)
 
4. Posted by 春日敬之   2010年12月02日 21:50
☆玄花さん
>登録船名を伝える時に不思議な言い方を・・・

あれは「NATO Phonetic Alphabet(フォネティック・コード)」と言いまして、欧文による
「通話コード」です。小説とは言え、「龍の道」では実際のコードを使っております。

これは北大西洋条約機構(NATO)だけでなく、世界のいろいろな機関で使われています。
単語や数字の発音は、個人々々の言語習慣によって異なる場合が多いので、無線の普及によって
正確な音声通話のための共通信号の必要性が高まったために作られました。
英語を母国語とする話者にとって認識しやすいものとなっており、日本や台湾など、米軍と繋がりの深い軍隊でも場合に応じて使われていますが、Alfa, Romeo, Juliett, など、英語でない単語が
多く存在するのも面白いですね。
これは英語、スペイン語、フランス語を母語とするNATOの話者の間で、発音が誤解されるのを
防ぐためだといいます。
 
5. Posted by まっつ   2010年12月03日 06:20
手に汗握るスリリングな展開ですね!
スピーディーなアクションの活写に引き込まれてしまいました!

宗少尉の男前(?)な活躍もなかなかに好いですね~
なんだかこのままだと主役を奪っていく勢いではないですか。
さぁ、どーなるんだ、次回の主人公!(C)
魅せてくれるに違いないと期待してます。
 
6. Posted by bamboo   2010年12月03日 22:55
巷にあふれる映画や漫画にはない、春日さんの描写ならではの緊迫感に引き込まれてしまい
ました。

先日、数年前から外国の軍隊に習ってきた離島の自衛隊が、風速15m・500m沖の
ゴムボートから武装姿で泳いで上陸してきた訓練を初めて見て、とても頼もしく思いました。

文とその映像が重なり、なんだかこのようなシーンが現実味を帯びてきたような気もします。
 
7. Posted by 春日敬之   2010年12月04日 21:30
☆まっつさん

ははは・・・宗少尉ファンとしては、男勝りの活躍が大いに嬉しいところですね。
まだまだ奮戦してもらいたいところですが、徐にライフルの照準を合わされてしまい、
非常に危うい場面となってきましたねー。

「主人公」には、かつて私も色々と教えられたことがあります。

宋代の、無門慧開が編集した公安集『無門関』の第十二則「源巌主人」に、
瑞巌和尚が、日々自分に向かって絶えず「主人公」と呼びかけ、また自分で応諾していた、
という話があり、

「主人公、お前は今、ハッキリ目を覚ましてオルか!」
「はい、しっかり目が覚めております」
「主人公、いまお前がこのように考えたのは、何ゆえのコトか分かってオルか!」
「はい、よく存じております・・・・」

このように、日がな一日、独り言を繰り返しておられた、というのです。
本当の主人公とは、己の実在(being)そのものであると、父親や師に教えられてきた宏隆君は、一寸やそっと宗少尉に主役の座を奪われた位では、全く意に介さないに違いありません。
 
8. Posted by 春日敬之   2010年12月04日 21:48
☆ bamboo さん

毎度ご愛読をありがとうございます。
日本の情けない政治体制では、 bamboo さんのコメントにあるような自衛隊の皆さんの活躍が
国民に正しく知らされていないのが現状であり、悔しく歯痒い思いです。
武藝館には自衛隊上がりの門人や父親が自衛隊員であった人も居られ、つい先日も事務局の方が
「それら生の声に触れる度に、如何に国民に正しい情報が知らされていないかを思い知らされる」
と仰るのを聞いたばかりです。
この小説では読者の皆さんにもっと多くの生の情報を提供できるよう、さらに充実させていきたいと考えております。
今後もどうぞご声援のほどを。m(_ _)m
 
9. Posted by マルコビッチ   2010年12月06日 00:12
うっひゃあ~~・・手に汗握るとはこのことですね!
めっちゃ興奮しました。
2艘のゴムボートは、まるで双頭の龍のように・・・・・って、かっこいいっすね~!!!
しかし敵は T旗のことを調べてなかったってことでしょうか?
あほですね~どじですね~勉強不足ですね~!
でもそのおかげで一隻ずつ確認する手間がはぶけて、すぐ見つけることが出来たし、こっちの方が知的レベル高いですよね~~!
ああ~どうなるんだろう・・・くっそー、徐め、いまに見てろよ!!
あっ、口が悪くてすいません ・・つい・・

ところで、しつこいようで恐縮ですが、前回の「ひい、ふう・・」ですが、
私は、やっぱり「ひい、ふう、みい・・」はめったに使いません。
「いち、にい、さん・・」と数えますが・・よく考えると、日本の数え方では
ありませんね!
それでですね、ちょっと恥ずかしいのですが、「ここのつ、とう・・」の
次のじゅういちはどう数えるのでしょうか?
 
10. Posted by 春日敬之   2010年12月06日 17:15
☆マルコビッチさん(その1)

>あほですね~どじですね~・・・・

国際法を無視した行為を繰り返している犯罪国家・北朝鮮。
それを勝手な理屈を付け、正当化して開き直っていると、
肝心な時に「国際信号旗」がどんな意味なのか分からなかった、という洒落・・・(笑)

まあ、どこの国にもアホは居るものでして、逃げるのに精一杯の時には、中々細かいところまで
気を配れなかったのでありませう。
 
11. Posted by 春日敬之   2010年12月06日 17:16
☆マルコビッチさん(その2)

>ひい、ふう、みい・・・

おお、マルコさんはなかなか勉強家ですねー!!
ほい、ぼくが知っている限りのことをお伝えしましょう。

まず「ひい、ふう、みい、よ・・」は、わがヤマト民族の古来からの数え方で、
れっきとしたニッポンの「やまとことば」なのでございます。

いち、にい、さん・・てのは、お察しの如く中国の数え方ですが、漢語のイー、アル、サンとは違っていますね。実はこれは「客家(はっか)」の発音で、もとは「イッ、ニー、サーム、シー」というものです。
それがいつ頃日本に来たのかは分かりませんが、恐らく「天平の甍」の頃に仏教の大蔵経典と共に日本に輸入されたのではないでしょうか。当時の人には、この発音が、いち、にい、さん、しー、と聞こえ、また、ワン、ツー、スリーのようにモダンに聞こえたのだと思います。

因みに、客家というのは漢民族の一種で、中原(ちゅうげん)に発祥した正統な中華文化を守ってきた漢民族です。中原とは黄河の中下流域にある平原のことで、狭義には春秋時代に周の王都があった河南省一帯を指し、武侠小説などでは武林の覇権を争う場であり、漢民族にとって文字どおりの「中華=世界の中心」となる場所です。

客家は、戦乱から逃れる為に中原から南に移動しては定住先を変えることを繰り返してきました。
移住先ではその土地の原住民から「客家(よそ者)」と呼ばれ、常に軋轢も生じました。
客家の人々は原住民とは違って、その土地の山間部に居住することを好み、独特の言語や文化を持っています。イッ、ニー、サーム・・というのはその独自の言語による数え方なのです。
 
12. Posted by 春日敬之   2010年12月06日 17:17
☆マルコビッチさん(その3)

>ここのつ、とう・・の次の、じゅういちは・・?

十一は「とうまりひと(とう、あまり、ひと)」、十二は「とうまりふた」と数えます。
百は「もも」、百十一は「ももまりとうまりひと(もも、あまり、とお、あまり、ひと)」、
二百以降、百の単位は「ふたお、みお、よお、いお、むお、ななお、やお・・」となります。

数字の「やまとことば」は、21世紀の今でも多く使われています。
一日は「ついたち」、二十日は「はつか」、三十日は「みそか」、年末は「おおみそか」、
二十歳は「はたち」、三十路は「みそじ」、和歌で使う三十一文字は「みそひともじ」、
百恵ちゃんは「ももえ」、山本元帥は「いそろく」、八百屋は「やおや」、神隠しは「ちひろ」、国歌は「千代に、八千代に」、千から以降は「ち、ふたち、みち、よち、いち、むち・・・」と
なって、一万(一萬)は「よろず」で、八百万「やおよろず」の神々、などと言いますね。
ヤマトでは、多分これが一番大きな数です。

大きいコトが大好きな中国では、万の次も、億、兆、京、垓・・・と続き、不可思議、無量大数、
千無量大数なんてのまで行きます。まあ、これはインドから仏教が入って来てからのコトなので、
彼らが威張ることではないのですが。

美しい響きを持つ日本古来の「やまとことば」は、これからも遺していきたいものですが、
言葉というのは使用人口が一千万人以上居ないと滅んでいく可能性が大きいと、どこかで聞きました。正しく美しいやまとことばを学んでいる海外の外国人を見ると、私たちよりも余程それを大切にしてくれているなあと、つくづく考えさせられます。
 

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