2010年03月28日
練拳 Diary #28 「腰相撲の動画」
by 教練 円山 玄花
この練拳ダイアリーでは、これまでに「腰相撲」という稽古法を計7回のシリーズで掲載してきました。記事と共に掲載した写真は50枚を超えますが、いずれもその時々の稽古に励む門人の様子を分かりやすくお伝え出来たのではないかと思っています。
しかし、拙い文章と静止画の写真だけでは表現出来ないことの方がはるかに多く、太極拳の計り知れない奥深さや、私たちが修錬する目的や意義を一体どれほど表現できたのかは疑問として残りました。そしてスタッフたちからも、これ以上のことをお伝えするには実際に動画の映像を観て頂くしかないという声が上がり、初めて動画を公開するに至った次第です。
「動画」を公開する主な理由は、ふたつあります。
ひとつは、先に述べたとおり、文章や写真では表せないものをお伝えするためです。
架式の整え方やその重要性、そして勁力というものをどれほど言葉で説明しようと、そう簡単に理解できるような質のものでないことは、太極拳を学習している人たちが一番良く知るところでしょうし、実際に目で見ることに勝る方法は無いと思えるからです。
また、それをビデオカメラが捉えた目で繰り返して見ることによって、より大きな理解やイメージを得られる筈であると思えます。
もうひとつは、太極拳の歴史が始まって以来、陳家溝でも重要な練功とされて古くから練られていた筈の「腰相撲」が、太極武藝館にどのような訓練方法として継承されているのかをお伝えするためです。
その訓練内容を詳らかに説明することは許されておりませんが、少なくともこのブログで述べてきた内容が実際にはどのようなものであるのかを、このような動画でご紹介することは可能であると思いました。
* * * * *
【 動画 その1・解説 】
これらの動画をご覧頂くにあたって、内容の順序と概要をお伝えしておきます。
この映像は、以下の7種類の「腰相撲の訓練」を一本の動画にまとめたものです。
(1)1名の門人が、正しい形で力一杯押していくもの(計三本)
押す人の表情はクールですが、実際にはかなりの力で押しています。
そして、それにも関わらず、師父の姿勢はほとんど変わらないまま、相手がひどく崩された格好で飛ばされていくのが見られます。
この場合、押す側の手に感じられる力はごく僅かなものですが、反対に身体内部に返ってくる衝撃は非常に大きく、もし一般門人がこれと同じものを受けたら、とてもこの演者のようには立ったまま無事に着地することは出来ないと思われます。
実際に、撮影ではヒヤリとする場面が幾度かありましたが、その度に頭から落ちそうになるのを演者が空中で身体をコントロールして必死にこらえ、また、師父も発力をコントロールされているために事無きを得ました。
(2)5名の門人が、力一杯押して行くもの
いずれも各自が最大の力で押しているものですが、普段の稽古では多人数で行う場合でも、構造を理解するために、いちいち青筋を立てるほどのパワーで押して行くようなことはしません。特に一般クラスの稽古では、各自が最も理解できる力の状態で押して行くように指導されます。
この映像は、撮影用に最大の力で思い切り押していますが、それでも正しく整った架式には、単に力の大きさで向かおうとしても全く刃が立たないということがよく分かります。
押す際には、一人一人が自分のすぐ前の人を押すのではなく、受け手であるただ一人の相手を押していくように全力を出しているのですが、その手応えはまるでビルの壁でも押しているかの如く、全く押せるような気がしません。
また、その挙げ句に、突然津波が押し寄せてきたように身体全体が浮かされて弾かれ、後方の壁に当たって止まるまで、フルスピードで走らされることになります。
これまでにも述べてきたように、「腰相撲」は力比べを行うのではなく、お互いに架式を整備して勁力を理解し、太極拳の構造から武術として使える身体を養うために、その練功が行われます。
また、腰相撲によって生じるチカラが「勁力」であることの証しとして、押されている合力の強大さとは反対に、遙かに軽い力で相手を返すことが可能になります。また、それが質量や拙力によるものではないことを確認するために、自分より大きな人と組んでみたり、多人数を相手に同じことが可能であるかどうかを試してみるわけです。
太極武藝館では、入門後わずか数回しか稽古に出席していない門人でも相手を返してしまうような現象が見られますが、それは「腰相撲」という練功を始めた時点から『正しく受けられることが、反対に相手をきちんと飛ばし返すことが出来ることである』と指導される故だと思います。
腰相撲の練功に於いて、押す側としての最も重要な稽古は、正しい架式で、チカラを水平に、きちんと相手に伝えられる、ということです。
それによって初めて押している自分の「構造」が明らかになり、その正しい構造で押せた場合には、返して来る相手の勁を正しい構造で受けることが出来るので、そこに正しい身体を養うための正しい稽古が成立することになります。
かつて、入門して間もない門人から、
『腰相撲というのは、ここで指導されるように、正しい姿勢できちんと真っ直ぐに
押してもらわないと、相手を返すことは出来ないのですか?』
・・・と、訊かれたことがあります。
それに対して私は、
『いや、どのように押されても返すことは出来ますが、それでは ”腰相撲の稽古” になり
ません。互いに自由に押したり投げたりするものは別の稽古になります。
腰相撲は、相手を返すことが出来るかを追求しているのではなく、正しく押せること
と、正しく返せることの中で、太極拳の構造を学んでいくことが目的なのです・・』
と、お答えしました。
この質問自体が「パワー志向」であり、「力比べ」の発想から出てくるものであると思えましたが、その発想ではお互いが「構造」を理解して高度なものにしていく「練功」そのものが成立しません。
太極拳として正しい姿勢でないもの、つまり構造が整っていない状態では、ごく普通にチカラをまっすぐ前に伝えることもできず、自分の持つ力の半分ほども出せないことでしょう。
それが分からず、ムリヤリに拙力を気ままに出せることが「大きなチカラの出し方」だと思ってしまうのは、まさに非武術的であり、日常的な発想でしかありません。
(3)5名の門人が、重みや揺さぶりを使って、力一杯煽(あお)りながら、
ひたすら「拙力」で押していったもの
これは実際にそのような「拙力」で煽り、力んで押すことを試みた映像です。
上述の質問者のように、架式を整えることなく寄り掛かりで重みを掛け、力んであおっていく方法を試みたわけですが、もちろん、このようなものが「稽古」として行われることは決して有り得ません。
実際に試してみれば、通常の腰相撲に比べて、自分の力が受け手まで届かず、ただ単に自分のすぐ前にいる人を押している感覚しかないということが、押している誰にも明らかでした。
また、もしもそれで押していったことを躱(かわ)されたり、流されたりした場合には、「押す側も押される側も、体軸がひどく崩れるしかない」という非武術的な身体の状態になってしまい、武術の稽古として成立しないものとなります。
この映像では、たとえそのような非武術的な拙力の状態で、気儘に力一杯押していっても、正しい架式で受けられた場合には、意外なほど簡単に返されてしまう様子が見られます。
(4)5名に腰を押されているところを、先頭の人の腕を取って押し返したもの。
これは稽古では行われていません。一対一でもなかなか難しく、対複数では誰も出来る人が居ないからですが、このようなことも可能であることが参考として示されています。
(5)5名の門人が、正しい形で力一杯押していくもの。
(2)とは返し方が異なり、前に踏み出さず、その場で返します。
多人数の稽古では、このように架式を変えず、その場で相手を返す練習を行いますが、(2)のように、前に歩いて出ながら返す練習もあります。
(6)壁ぎわで正座をして、背と腰を離したまま肩を壁に付け、
11名の門人に肩を押させ、それを返したもの。
これも、腰相撲の原理を用いればこのような事も可能になる、と示されたものです。
試してみればすぐに納得できますが、相手がたった一人でも返すことが難しいだけでなく、原理が分からなければ背筋や肩、腰などを痛める可能性が高いので、特に多人数の練習は一般クラスの稽古では行われません。
(7)壁にカカト、尻、背中、頭を付けて立ったところを、
6名および10名の門人が腰を押していき、それを返したもの。(計2本)
これは正座するものより安全性が高いので、稽古でも度々行われています。
相手が一人でもかなり難しく、複数になると上級者でなくてはとても返せません。
また、このカタチで相手を弾き飛ばすのではなく、歩いて前に出て行く「壁抜け」という稽古もありますが、同様に難度の高いものです。
* * * * *
【 動画・その2 】
*まだ架式を充分理解できていない人が、5名の門人に押されたもの(計5本)
「動画・その1」と同じように押していきますが、ご覧のようにあっと言う間に押し切られ、力の差が激しい場合は後ろの壁に叩きつけられてしまい、何とか耐えている場合でも、結局最後には押し切られてしまいます。腰相撲では、実際にはこのような、大きな合力が押される側に掛けられていることが分かります。
しかし、押していった人たちは、師父を思い切り押した際の力に比べれば、まだそれほど大きな力ではないと言うことです。
4本目の映像では、押している5名は全て女性です。いずれも太極武藝館で十年以上稽古に励んできた人たちであり、その構造から出るチカラは映像からはなかなか想像できません。
普段の稽古では、女性2人対男性1人、女性3人対男性1人などで練習が組まれることもありますが、筋力に自信のある格闘技経験者でも、かなりの苦労を強いられます。
受けている彼らは、ほぼ全員が格闘技でその実力を大いに示してきた人たちであり、筋力もかなり強く、ベンチプレスでは100キロ以上を容易に挙げ、スクワット百回を10セット、腕立て伏せなら百回程度を軽くこなしてきたような人たちです。
彼らは一対一なら相手に押される時には余裕で受けることが出来ますし、返して飛ばすことも出来るのですが、やはり多人数で押された場合は合力が非常に大きいために、このような結果となります。腰相撲では「架式」を正しく習得しなければ、決して正しく返すことが出来ないということが分かります。
* * * * *
以上、各々の動画の解説を述べてみました。
門人の皆さんにとっても、普段の稽古で行われている「腰相撲」を動画にして見るのは今回が初めてのことと思います。この練功の様子を道場の稽古で見ているだけでは分からなかったことが、この動画によって新たに見えてくるかも知れません。
単に相手を弾き飛ばすという表面的な現象にとらわれることなく、正しい架式と構造の重要性、腰相撲という練功の奥深さをよくご覧頂き、日頃の稽古にお役立て頂ければたいへん嬉しく思います。
(了)
この練拳ダイアリーでは、これまでに「腰相撲」という稽古法を計7回のシリーズで掲載してきました。記事と共に掲載した写真は50枚を超えますが、いずれもその時々の稽古に励む門人の様子を分かりやすくお伝え出来たのではないかと思っています。
しかし、拙い文章と静止画の写真だけでは表現出来ないことの方がはるかに多く、太極拳の計り知れない奥深さや、私たちが修錬する目的や意義を一体どれほど表現できたのかは疑問として残りました。そしてスタッフたちからも、これ以上のことをお伝えするには実際に動画の映像を観て頂くしかないという声が上がり、初めて動画を公開するに至った次第です。
「動画」を公開する主な理由は、ふたつあります。
ひとつは、先に述べたとおり、文章や写真では表せないものをお伝えするためです。
架式の整え方やその重要性、そして勁力というものをどれほど言葉で説明しようと、そう簡単に理解できるような質のものでないことは、太極拳を学習している人たちが一番良く知るところでしょうし、実際に目で見ることに勝る方法は無いと思えるからです。
また、それをビデオカメラが捉えた目で繰り返して見ることによって、より大きな理解やイメージを得られる筈であると思えます。
もうひとつは、太極拳の歴史が始まって以来、陳家溝でも重要な練功とされて古くから練られていた筈の「腰相撲」が、太極武藝館にどのような訓練方法として継承されているのかをお伝えするためです。
その訓練内容を詳らかに説明することは許されておりませんが、少なくともこのブログで述べてきた内容が実際にはどのようなものであるのかを、このような動画でご紹介することは可能であると思いました。
* * * * *
【 動画 その1・解説 】
これらの動画をご覧頂くにあたって、内容の順序と概要をお伝えしておきます。
この映像は、以下の7種類の「腰相撲の訓練」を一本の動画にまとめたものです。
(1)1名の門人が、正しい形で力一杯押していくもの(計三本)
押す人の表情はクールですが、実際にはかなりの力で押しています。
そして、それにも関わらず、師父の姿勢はほとんど変わらないまま、相手がひどく崩された格好で飛ばされていくのが見られます。
この場合、押す側の手に感じられる力はごく僅かなものですが、反対に身体内部に返ってくる衝撃は非常に大きく、もし一般門人がこれと同じものを受けたら、とてもこの演者のようには立ったまま無事に着地することは出来ないと思われます。
実際に、撮影ではヒヤリとする場面が幾度かありましたが、その度に頭から落ちそうになるのを演者が空中で身体をコントロールして必死にこらえ、また、師父も発力をコントロールされているために事無きを得ました。
(2)5名の門人が、力一杯押して行くもの
いずれも各自が最大の力で押しているものですが、普段の稽古では多人数で行う場合でも、構造を理解するために、いちいち青筋を立てるほどのパワーで押して行くようなことはしません。特に一般クラスの稽古では、各自が最も理解できる力の状態で押して行くように指導されます。
この映像は、撮影用に最大の力で思い切り押していますが、それでも正しく整った架式には、単に力の大きさで向かおうとしても全く刃が立たないということがよく分かります。
押す際には、一人一人が自分のすぐ前の人を押すのではなく、受け手であるただ一人の相手を押していくように全力を出しているのですが、その手応えはまるでビルの壁でも押しているかの如く、全く押せるような気がしません。
また、その挙げ句に、突然津波が押し寄せてきたように身体全体が浮かされて弾かれ、後方の壁に当たって止まるまで、フルスピードで走らされることになります。
これまでにも述べてきたように、「腰相撲」は力比べを行うのではなく、お互いに架式を整備して勁力を理解し、太極拳の構造から武術として使える身体を養うために、その練功が行われます。
また、腰相撲によって生じるチカラが「勁力」であることの証しとして、押されている合力の強大さとは反対に、遙かに軽い力で相手を返すことが可能になります。また、それが質量や拙力によるものではないことを確認するために、自分より大きな人と組んでみたり、多人数を相手に同じことが可能であるかどうかを試してみるわけです。
太極武藝館では、入門後わずか数回しか稽古に出席していない門人でも相手を返してしまうような現象が見られますが、それは「腰相撲」という練功を始めた時点から『正しく受けられることが、反対に相手をきちんと飛ばし返すことが出来ることである』と指導される故だと思います。
腰相撲の練功に於いて、押す側としての最も重要な稽古は、正しい架式で、チカラを水平に、きちんと相手に伝えられる、ということです。
それによって初めて押している自分の「構造」が明らかになり、その正しい構造で押せた場合には、返して来る相手の勁を正しい構造で受けることが出来るので、そこに正しい身体を養うための正しい稽古が成立することになります。
かつて、入門して間もない門人から、
『腰相撲というのは、ここで指導されるように、正しい姿勢できちんと真っ直ぐに
押してもらわないと、相手を返すことは出来ないのですか?』
・・・と、訊かれたことがあります。
それに対して私は、
『いや、どのように押されても返すことは出来ますが、それでは ”腰相撲の稽古” になり
ません。互いに自由に押したり投げたりするものは別の稽古になります。
腰相撲は、相手を返すことが出来るかを追求しているのではなく、正しく押せること
と、正しく返せることの中で、太極拳の構造を学んでいくことが目的なのです・・』
と、お答えしました。
この質問自体が「パワー志向」であり、「力比べ」の発想から出てくるものであると思えましたが、その発想ではお互いが「構造」を理解して高度なものにしていく「練功」そのものが成立しません。
太極拳として正しい姿勢でないもの、つまり構造が整っていない状態では、ごく普通にチカラをまっすぐ前に伝えることもできず、自分の持つ力の半分ほども出せないことでしょう。
それが分からず、ムリヤリに拙力を気ままに出せることが「大きなチカラの出し方」だと思ってしまうのは、まさに非武術的であり、日常的な発想でしかありません。
(3)5名の門人が、重みや揺さぶりを使って、力一杯煽(あお)りながら、
ひたすら「拙力」で押していったもの
これは実際にそのような「拙力」で煽り、力んで押すことを試みた映像です。
上述の質問者のように、架式を整えることなく寄り掛かりで重みを掛け、力んであおっていく方法を試みたわけですが、もちろん、このようなものが「稽古」として行われることは決して有り得ません。
実際に試してみれば、通常の腰相撲に比べて、自分の力が受け手まで届かず、ただ単に自分のすぐ前にいる人を押している感覚しかないということが、押している誰にも明らかでした。
また、もしもそれで押していったことを躱(かわ)されたり、流されたりした場合には、「押す側も押される側も、体軸がひどく崩れるしかない」という非武術的な身体の状態になってしまい、武術の稽古として成立しないものとなります。
この映像では、たとえそのような非武術的な拙力の状態で、気儘に力一杯押していっても、正しい架式で受けられた場合には、意外なほど簡単に返されてしまう様子が見られます。
(4)5名に腰を押されているところを、先頭の人の腕を取って押し返したもの。
これは稽古では行われていません。一対一でもなかなか難しく、対複数では誰も出来る人が居ないからですが、このようなことも可能であることが参考として示されています。
(5)5名の門人が、正しい形で力一杯押していくもの。
(2)とは返し方が異なり、前に踏み出さず、その場で返します。
多人数の稽古では、このように架式を変えず、その場で相手を返す練習を行いますが、(2)のように、前に歩いて出ながら返す練習もあります。
(6)壁ぎわで正座をして、背と腰を離したまま肩を壁に付け、
11名の門人に肩を押させ、それを返したもの。
これも、腰相撲の原理を用いればこのような事も可能になる、と示されたものです。
試してみればすぐに納得できますが、相手がたった一人でも返すことが難しいだけでなく、原理が分からなければ背筋や肩、腰などを痛める可能性が高いので、特に多人数の練習は一般クラスの稽古では行われません。
(7)壁にカカト、尻、背中、頭を付けて立ったところを、
6名および10名の門人が腰を押していき、それを返したもの。(計2本)
これは正座するものより安全性が高いので、稽古でも度々行われています。
相手が一人でもかなり難しく、複数になると上級者でなくてはとても返せません。
また、このカタチで相手を弾き飛ばすのではなく、歩いて前に出て行く「壁抜け」という稽古もありますが、同様に難度の高いものです。
* * * * *
【 動画・その2 】
*まだ架式を充分理解できていない人が、5名の門人に押されたもの(計5本)
「動画・その1」と同じように押していきますが、ご覧のようにあっと言う間に押し切られ、力の差が激しい場合は後ろの壁に叩きつけられてしまい、何とか耐えている場合でも、結局最後には押し切られてしまいます。腰相撲では、実際にはこのような、大きな合力が押される側に掛けられていることが分かります。
しかし、押していった人たちは、師父を思い切り押した際の力に比べれば、まだそれほど大きな力ではないと言うことです。
4本目の映像では、押している5名は全て女性です。いずれも太極武藝館で十年以上稽古に励んできた人たちであり、その構造から出るチカラは映像からはなかなか想像できません。
普段の稽古では、女性2人対男性1人、女性3人対男性1人などで練習が組まれることもありますが、筋力に自信のある格闘技経験者でも、かなりの苦労を強いられます。
受けている彼らは、ほぼ全員が格闘技でその実力を大いに示してきた人たちであり、筋力もかなり強く、ベンチプレスでは100キロ以上を容易に挙げ、スクワット百回を10セット、腕立て伏せなら百回程度を軽くこなしてきたような人たちです。
彼らは一対一なら相手に押される時には余裕で受けることが出来ますし、返して飛ばすことも出来るのですが、やはり多人数で押された場合は合力が非常に大きいために、このような結果となります。腰相撲では「架式」を正しく習得しなければ、決して正しく返すことが出来ないということが分かります。
* * * * *
以上、各々の動画の解説を述べてみました。
門人の皆さんにとっても、普段の稽古で行われている「腰相撲」を動画にして見るのは今回が初めてのことと思います。この練功の様子を道場の稽古で見ているだけでは分からなかったことが、この動画によって新たに見えてくるかも知れません。
単に相手を弾き飛ばすという表面的な現象にとらわれることなく、正しい架式と構造の重要性、腰相撲という練功の奥深さをよくご覧頂き、日頃の稽古にお役立て頂ければたいへん嬉しく思います。
(了)
コメント一覧
1. Posted by タイ爺 2010年03月30日 11:59
一番にコメントを載せるのは門外漢として僭越ですが・・・
実際に見るとあまりに衝撃的です。
また、このような現象が太極拳を正しく訓練を積む事で可能になるということもすごいことです。
また架式の重要性、站椿の重要性を改めて考えさせられました。
動画の公開ありがとうございました。
実際に見るとあまりに衝撃的です。
また、このような現象が太極拳を正しく訓練を積む事で可能になるということもすごいことです。
また架式の重要性、站椿の重要性を改めて考えさせられました。
動画の公開ありがとうございました。
2. Posted by マガサス 2010年03月30日 15:37
初めて師父の腰相撲を拝見した時には、全く常識の範疇外の出来事として映り、とてもショックを受けました。師父はゆったりと楽そうに立って居られ、押す方の人もそんなに力んでいないのに、皆さんが吹っ飛んでいくので、コレって一体何なのだろうかと思いました。
しかし入門して自分が師父を押していった時に、それは更なるショックとなりました。
いくら押しても、押せば押すほど力が吸い込まれてしまうような、そんな感じなのです。
ガッチリしているけれど、柔らかくてそのまま押せそうなくらい手応えがなく、自分だけが頑張っているような感覚のまま、気がつくと後ろ向きにフルスピードで吹っ飛ばされて行くのです。
押している私の手にも、ほとんどチカラらしいものが返ってきません。
何年か稽古をしていくうちに、これは「架式」の訓練なのだとようやく実感し始めました。
いくら力で頑張っても、同じような体格の女性に簡単に押されてしまいますが、きちんと架式を取ろうとするだけでだんだん押されなくなってきます。教えられる通りに要求を整え、構造を正しく整えようとすると、いつの間にか人が飛んでいくようになりました。
架式を軽んじてはいけない、太極拳のすべては「架式」にあるのだ、とよく注意されます。
どのように立つのか、何故にそう立つのか、そこからどう動くのか、
なぜそう動けるのか、そう動くとどうなるのか・・・
そのための站椿、馬歩の基本功・・そのための歩法訓練、套路の訓練・・・
腰相撲の訓練は、架式というものが何であるかを明確に示しているように思えます。
貴重な映像を公開して頂き、有難うございました。
しかし入門して自分が師父を押していった時に、それは更なるショックとなりました。
いくら押しても、押せば押すほど力が吸い込まれてしまうような、そんな感じなのです。
ガッチリしているけれど、柔らかくてそのまま押せそうなくらい手応えがなく、自分だけが頑張っているような感覚のまま、気がつくと後ろ向きにフルスピードで吹っ飛ばされて行くのです。
押している私の手にも、ほとんどチカラらしいものが返ってきません。
何年か稽古をしていくうちに、これは「架式」の訓練なのだとようやく実感し始めました。
いくら力で頑張っても、同じような体格の女性に簡単に押されてしまいますが、きちんと架式を取ろうとするだけでだんだん押されなくなってきます。教えられる通りに要求を整え、構造を正しく整えようとすると、いつの間にか人が飛んでいくようになりました。
架式を軽んじてはいけない、太極拳のすべては「架式」にあるのだ、とよく注意されます。
どのように立つのか、何故にそう立つのか、そこからどう動くのか、
なぜそう動けるのか、そう動くとどうなるのか・・・
そのための站椿、馬歩の基本功・・そのための歩法訓練、套路の訓練・・・
腰相撲の訓練は、架式というものが何であるかを明確に示しているように思えます。
貴重な映像を公開して頂き、有難うございました。
3. Posted by トヨ 2010年03月30日 16:29
動画がついに公開されてしまいましたね・・・。
押されまいと力んで耐えようとすると、多人数になった途端に吹き飛ばされてしまいます。
かといってただ力を抜けば、当然押されてしまいます。
腰相撲の稽古では、押されないようにする、相手を押し返す・・・という、相手に対する作用ではなく、自分自身がどうなっているのかをひたすらに見つめ続け、そうすると相手にどのようなことが起こるのか、を見られる優れた稽古方法だと思います。
それにしても改めて動画で見てみると、実に恐ろしいです。
押すほうは、本当にものすごい力で押しているのですけどね・・・。
太極拳の奥深さが垣間見られるこの動画、じっくり勉強させていただきます。
ありがとうございます。
押されまいと力んで耐えようとすると、多人数になった途端に吹き飛ばされてしまいます。
かといってただ力を抜けば、当然押されてしまいます。
腰相撲の稽古では、押されないようにする、相手を押し返す・・・という、相手に対する作用ではなく、自分自身がどうなっているのかをひたすらに見つめ続け、そうすると相手にどのようなことが起こるのか、を見られる優れた稽古方法だと思います。
それにしても改めて動画で見てみると、実に恐ろしいです。
押すほうは、本当にものすごい力で押しているのですけどね・・・。
太極拳の奥深さが垣間見られるこの動画、じっくり勉強させていただきます。
ありがとうございます。
4. Posted by tetsu 2010年03月30日 21:18
ついに師父の動画が公開されましたね・・・。
何度も繰り返し繰り返し再生して観ました。
観れば観るほど師父の身体にはどこにも力みがなくゆったりとしているようです。
これぞ将に「チカラ対チカラ」ではなく「チカラ対構造」というものがはっきりとわかります。
マガサスさんの仰る通り、私も初めて師父を押した時はまるで巨木を押している様な感じでした。
私が今まで経験した武道の稽古でも同じようなことをしたことがあるのですが、師父のそれとは大違いで、明らかに後ろ足の踏ん張りの力みを感じ取れるものでした。
しかし、師父を押しても本当に何を押しているかわからない、ただ自分が力んでいるだけのような感覚です。
その刹那に突き抜けるような、時には電気ショックをかけられたような感覚が全身を走り、遥か後方の壁に吹き飛ばされます。
この度は本当に貴重な動画の公開をありがとうございました。
何度も繰り返し繰り返し再生して観ました。
観れば観るほど師父の身体にはどこにも力みがなくゆったりとしているようです。
これぞ将に「チカラ対チカラ」ではなく「チカラ対構造」というものがはっきりとわかります。
マガサスさんの仰る通り、私も初めて師父を押した時はまるで巨木を押している様な感じでした。
私が今まで経験した武道の稽古でも同じようなことをしたことがあるのですが、師父のそれとは大違いで、明らかに後ろ足の踏ん張りの力みを感じ取れるものでした。
しかし、師父を押しても本当に何を押しているかわからない、ただ自分が力んでいるだけのような感覚です。
その刹那に突き抜けるような、時には電気ショックをかけられたような感覚が全身を走り、遥か後方の壁に吹き飛ばされます。
この度は本当に貴重な動画の公開をありがとうございました。
5. Posted by 耕 2010年04月01日 12:15
これは本当に観たかったものなので大変にありがたいです。
じっさいに人が飛ぶところはどんな感じなんだろうと、
文では想像いろいろだったのですが、やっと胸のつかえがとれたようです(笑)。
とはいうものの、正しい架式というものは途方もないものであると改めて認識させていただき、
新たにその奥の深さに驚愕です。
tetsuさんのおっしゃるように「後ろ足の踏ん張り」ではないということ。
それからトヨさんの言葉がとても大事だと思いました。
ありがとうございました。
じっさいに人が飛ぶところはどんな感じなんだろうと、
文では想像いろいろだったのですが、やっと胸のつかえがとれたようです(笑)。
とはいうものの、正しい架式というものは途方もないものであると改めて認識させていただき、
新たにその奥の深さに驚愕です。
tetsuさんのおっしゃるように「後ろ足の踏ん張り」ではないということ。
それからトヨさんの言葉がとても大事だと思いました。
ありがとうございました。
6. Posted by まっつ 2010年04月02日 00:09
貴重な映像を公開して頂きありがとうございます。
生身の眼に映る絵と、映像に見る印象がかなり異なって感じられる事に驚きました。
良くも悪くも生身で感じる印象とは、見る人の五感の集大成なのだと再認識されました。
このように師父の正しい架式と、未だ十分ではない架式を比較する事で、
太極拳が力では無いという事がはっきりと見て取る事が出来ました。
師父の架式には徹頭徹尾において歪みや力みの要素が全く見られませんが、
多人数で押されてしまう架式には、最初から歪みが生じており、
力に頼らざるをえないが故に押されてしまう因果が良く分かりました。
改めて架式の整備に努めたいと思いました。
生身の眼に映る絵と、映像に見る印象がかなり異なって感じられる事に驚きました。
良くも悪くも生身で感じる印象とは、見る人の五感の集大成なのだと再認識されました。
このように師父の正しい架式と、未だ十分ではない架式を比較する事で、
太極拳が力では無いという事がはっきりと見て取る事が出来ました。
師父の架式には徹頭徹尾において歪みや力みの要素が全く見られませんが、
多人数で押されてしまう架式には、最初から歪みが生じており、
力に頼らざるをえないが故に押されてしまう因果が良く分かりました。
改めて架式の整備に努めたいと思いました。
7. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:07
☆タイ爺さん
コメントをありがとうございます。
私たちはいつもライブで体験しているためか、撮影したものを画面で見ると、実際のボリューム
よりも小さくまとまってしまったような気がしたのですが、それでも、文章や写真よりは遙かに
多くのことをお伝えできたのではないかと思っています。
ご覧になった方に、架式や站椿について何らかのことを感じて頂けたのでしたら、私たちもこの
動画を出した甲斐があったというもので、本当に嬉しく思います。
私が真に架式が大切だと思えたのは、腰相撲の稽古を始めてからずいぶん後のことです。
師父の示範を見て取れない分を、身体操作が分からないからだと勘違いして、自分なりに補って
いたのですが、それ故にどうしても違うものになっていたのです。
何をやってもダメだと分かったとき、初めて「立ち方の違い」に目が行きました。
今は動画で見比べることができるので、とてもありがたく思います。
コメントをありがとうございます。
私たちはいつもライブで体験しているためか、撮影したものを画面で見ると、実際のボリューム
よりも小さくまとまってしまったような気がしたのですが、それでも、文章や写真よりは遙かに
多くのことをお伝えできたのではないかと思っています。
ご覧になった方に、架式や站椿について何らかのことを感じて頂けたのでしたら、私たちもこの
動画を出した甲斐があったというもので、本当に嬉しく思います。
私が真に架式が大切だと思えたのは、腰相撲の稽古を始めてからずいぶん後のことです。
師父の示範を見て取れない分を、身体操作が分からないからだと勘違いして、自分なりに補って
いたのですが、それ故にどうしても違うものになっていたのです。
何をやってもダメだと分かったとき、初めて「立ち方の違い」に目が行きました。
今は動画で見比べることができるので、とてもありがたく思います。
8. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:10
☆マガサスさん
>入門して自分が師父を押していった時に、それは更なるショックとなりました。
ショックを受けることはとても大切ですね。
今の自分ではどうすることもできないというその現実が、
「自分のこの架式ではダメだ」という観念に至るのかもしれません。
多人数で誰かを押していくときは、先頭で押してみると、より分かりやすいと思います。
後ろから来ている力は人数分、確かに全て自分に掛かっているのに、その力を前に立っている
たった一人の相手に、なかなか上手く伝えることができないのですから。
しかも、押している以上の大きな力を欠片ほども感じることなく、軽々と返されてしまうという
そのショックは、幾度となく体験し続けてもまったく色褪せず、常に鮮烈なものです。
>・・太極拳のすべては「架式」にあるのだ・・・
「架式」ひとつに丁寧に大切に向かうことで、站椿から基本功、歩法に套路まで、
それらの練功を通して、太極拳が何を練りたいのか、何を養いたいのかが見えてきますね。
さらに、相手との関係性までもを正しく理解していくことができるということは、
本当にスゴイことだと思います。
>入門して自分が師父を押していった時に、それは更なるショックとなりました。
ショックを受けることはとても大切ですね。
今の自分ではどうすることもできないというその現実が、
「自分のこの架式ではダメだ」という観念に至るのかもしれません。
多人数で誰かを押していくときは、先頭で押してみると、より分かりやすいと思います。
後ろから来ている力は人数分、確かに全て自分に掛かっているのに、その力を前に立っている
たった一人の相手に、なかなか上手く伝えることができないのですから。
しかも、押している以上の大きな力を欠片ほども感じることなく、軽々と返されてしまうという
そのショックは、幾度となく体験し続けてもまったく色褪せず、常に鮮烈なものです。
>・・太極拳のすべては「架式」にあるのだ・・・
「架式」ひとつに丁寧に大切に向かうことで、站椿から基本功、歩法に套路まで、
それらの練功を通して、太極拳が何を練りたいのか、何を養いたいのかが見えてきますね。
さらに、相手との関係性までもを正しく理解していくことができるということは、
本当にスゴイことだと思います。
9. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:13
☆トヨさん
>自分自身がどうなっているのかをひたすら見つめ続け・・・
そうですね。その為に腰相撲のような《受け・取り》に分けた、限定付きの稽古を行います。
一方は押すだけで、一方はそれを受けて返すだけです。
架式も、押す方向も、押す早さも決められている対練の中では、
決められているが故に、それ以外のことを持ち込むことができません。
その為に、上手く行こうが行くまいが、そこで生じる全ての問題は自分自身によるものだと、
気付くことが出来るわけです。
そうして初めて、自分自身の在り方によって相手との関わりや影響が変わるということを、
お互いに実感することができるのだと思います。
本当に、よくこのような練功方法を残してくれたものだと、ほとほと感心してしまいます。
この機会に、しっかりと勉強したいものです。
>自分自身がどうなっているのかをひたすら見つめ続け・・・
そうですね。その為に腰相撲のような《受け・取り》に分けた、限定付きの稽古を行います。
一方は押すだけで、一方はそれを受けて返すだけです。
架式も、押す方向も、押す早さも決められている対練の中では、
決められているが故に、それ以外のことを持ち込むことができません。
その為に、上手く行こうが行くまいが、そこで生じる全ての問題は自分自身によるものだと、
気付くことが出来るわけです。
そうして初めて、自分自身の在り方によって相手との関わりや影響が変わるということを、
お互いに実感することができるのだと思います。
本当に、よくこのような練功方法を残してくれたものだと、ほとほと感心してしまいます。
この機会に、しっかりと勉強したいものです。
10. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:15
☆Tetsuさん
確かに、師父の身体にはどこにも「力み」を感じられません。
私がまだ1対1の腰相撲で”後ろ足の踏ん張り”が必要だった頃、師父が多人数を相手に、
なぜそのように力みなく立っていられるのかと、質問をしたことがあります。
師父は、
「架式は”ひとつもの”であり、腰相撲で弓歩の架式をとることと、歩法や套路で架式を
とることとは全く同じ事である。では、なぜ腰相撲で力む必要があるのか。
それは力んでしまったら架式にはならない・・・」
と、言われました。
基本と対練が離れたものではないということを認識し始めたのは、その頃からです。
正しい架式でなくては、とても多人数相手にこのようなことができるはずもなく、
身体操作ではなく「構造」、拙力ではなく「勁力」だということを理解するために、
このような訓練方法が何種類も用意されているわけですね。
このように様々な角度から太極拳を勉強していくことができる学習システムは、
本当にありがたいと思います。
確かに、師父の身体にはどこにも「力み」を感じられません。
私がまだ1対1の腰相撲で”後ろ足の踏ん張り”が必要だった頃、師父が多人数を相手に、
なぜそのように力みなく立っていられるのかと、質問をしたことがあります。
師父は、
「架式は”ひとつもの”であり、腰相撲で弓歩の架式をとることと、歩法や套路で架式を
とることとは全く同じ事である。では、なぜ腰相撲で力む必要があるのか。
それは力んでしまったら架式にはならない・・・」
と、言われました。
基本と対練が離れたものではないということを認識し始めたのは、その頃からです。
正しい架式でなくては、とても多人数相手にこのようなことができるはずもなく、
身体操作ではなく「構造」、拙力ではなく「勁力」だということを理解するために、
このような訓練方法が何種類も用意されているわけですね。
このように様々な角度から太極拳を勉強していくことができる学習システムは、
本当にありがたいと思います。
11. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:17
☆耕さん
コメントをありがとうございます。
>やっと胸のつかえがとれたようです・・
そう言っていただけると、こうして動画を出した甲斐があるというものです。
やはり動画の映像に勝るほどの説明は無いのかもしれません。
これが出されて、私もようやくスッキリした思いです。(笑)
「架式」は、知れば知るほどに、新しい武術の世界が広がっていくような気がします。
今後も架式について、より多角的に研究を続けていきたいと思っております。
コメントをありがとうございます。
>やっと胸のつかえがとれたようです・・
そう言っていただけると、こうして動画を出した甲斐があるというものです。
やはり動画の映像に勝るほどの説明は無いのかもしれません。
これが出されて、私もようやくスッキリした思いです。(笑)
「架式」は、知れば知るほどに、新しい武術の世界が広がっていくような気がします。
今後も架式について、より多角的に研究を続けていきたいと思っております。
12. Posted by 円山 玄花 2010年04月02日 17:21
☆まっつさん
>生身の目に映る絵と、映像に見る印象がかなり異なって感じられる・・・
人間の感覚とは、本当に摩訶不思議なものだといつも思います。
人は、ひとりとして同じ存在はなく、感覚も、見えるものも、まるで異なるようですが、
何かひとつのことを学ぼうとするときには、当然そのままでは正しいことは学べません。
太極拳で指導される立身中正や虚領頂勁などの要訣や、架式に関する細かいキマリは、
身体を整えてくれるのはもちろんですが、それ以上に、まず各自の”在りよう”を、
太極拳を学ぶために必要な心身の状態に整えてくれる、とても重要なものなのだと思います。
・・思考ではなく意識に。自分の目で見ることを止め、自分の耳で聞くことを止める。
そうしてようやく、日頃から稽古で言われている、「物事をものごととしてとらえる」ことが
可能になるのだと思います。
>正しい架式と、未だ十分ではない架式を比較する事で・・
今回の動画の特典とでも言いましょうか・・。(笑)
どちらか一方だけでは、分からなかったり見えなかったりしたことも、
二つを比べることでよりハッキリと分かってしまいますね。
私も、二つの動画を使って、じっくり研究していきたいと思います。
>生身の目に映る絵と、映像に見る印象がかなり異なって感じられる・・・
人間の感覚とは、本当に摩訶不思議なものだといつも思います。
人は、ひとりとして同じ存在はなく、感覚も、見えるものも、まるで異なるようですが、
何かひとつのことを学ぼうとするときには、当然そのままでは正しいことは学べません。
太極拳で指導される立身中正や虚領頂勁などの要訣や、架式に関する細かいキマリは、
身体を整えてくれるのはもちろんですが、それ以上に、まず各自の”在りよう”を、
太極拳を学ぶために必要な心身の状態に整えてくれる、とても重要なものなのだと思います。
・・思考ではなく意識に。自分の目で見ることを止め、自分の耳で聞くことを止める。
そうしてようやく、日頃から稽古で言われている、「物事をものごととしてとらえる」ことが
可能になるのだと思います。
>正しい架式と、未だ十分ではない架式を比較する事で・・
今回の動画の特典とでも言いましょうか・・。(笑)
どちらか一方だけでは、分からなかったり見えなかったりしたことも、
二つを比べることでよりハッキリと分かってしまいますね。
私も、二つの動画を使って、じっくり研究していきたいと思います。
13. Posted by マルコビッチ 2010年04月04日 02:57
コメント遅くなってしまいすみません。
とうとう腰相撲の動画がでてしまい、
いいのかな〜と思いつつ、何回も拝見させて頂きました。
動画1の師父と、動画2の押されてしまう方との立ち方の違いが、
画面だと比較して見ることが出来、おもしろいですね。
また、押している側の方々の立ち方もそれぞれで、
返された時の姿勢、押し切った時の姿勢などが見ることが出来、
勉強になります。
やはり正しい架式、軸の在り方なのですね!
しかし、男性5人を後ろに師父を押している玄花后嗣は
す、す、すごいです。
とうとう腰相撲の動画がでてしまい、
いいのかな〜と思いつつ、何回も拝見させて頂きました。
動画1の師父と、動画2の押されてしまう方との立ち方の違いが、
画面だと比較して見ることが出来、おもしろいですね。
また、押している側の方々の立ち方もそれぞれで、
返された時の姿勢、押し切った時の姿勢などが見ることが出来、
勉強になります。
やはり正しい架式、軸の在り方なのですね!
しかし、男性5人を後ろに師父を押している玄花后嗣は
す、す、すごいです。
14. Posted by 円山 玄花 2010年04月05日 19:26
☆マルコビッチさん
動画の良いところは、同じものを何回も繰り返し見ることによって、
一回では分からなかったところが、より鮮明に見えてくるということと、
自分の「モノの見方」に気がつきやすい、というところでしょうか。
今回は2種類の動画が出されているため、勉強できる中身もずいぶん範囲が広がりますね。
>男性5人を後ろに・・・
自分の腰相撲の理解が浅かったときには、ずいぶん苦労をしました。
掛かってくる力は、やはり並みの力ではないものですから、
自分が腰を使えずに腕で支えようものなら、
腕の筋が切れて、骨までおかしくしてしまうのではないかと思えるほどです。
その頃に比べると、今は後ろから何人分の力が掛かってきても、
それに耐えることなく、自分の力もプラスして前の人に伝えられていると思います。
対象が何であっても、最も大変なポジションが、一番勉強できるような気がします。
動画の良いところは、同じものを何回も繰り返し見ることによって、
一回では分からなかったところが、より鮮明に見えてくるということと、
自分の「モノの見方」に気がつきやすい、というところでしょうか。
今回は2種類の動画が出されているため、勉強できる中身もずいぶん範囲が広がりますね。
>男性5人を後ろに・・・
自分の腰相撲の理解が浅かったときには、ずいぶん苦労をしました。
掛かってくる力は、やはり並みの力ではないものですから、
自分が腰を使えずに腕で支えようものなら、
腕の筋が切れて、骨までおかしくしてしまうのではないかと思えるほどです。
その頃に比べると、今は後ろから何人分の力が掛かってきても、
それに耐えることなく、自分の力もプラスして前の人に伝えられていると思います。
対象が何であっても、最も大変なポジションが、一番勉強できるような気がします。
15. Posted by なんだ 2010年04月15日 01:10
ご無沙汰をしております。(_ _)
動画の公開どうもありがとうございました。
拝見して思いましたのは、今まで円山玄花様が
このブログで発表されてきた文章の拝読をした
ことで、自分の乏しい経験や知識がいくらか
補われて、今回のアップを見ることができたのだ
と思いました。
うまく言えませんが、いきなりYouTubeで
この動画に出会っても???だったかもしれません。
あらためましてどうもありがとうございました。
動画の公開どうもありがとうございました。
拝見して思いましたのは、今まで円山玄花様が
このブログで発表されてきた文章の拝読をした
ことで、自分の乏しい経験や知識がいくらか
補われて、今回のアップを見ることができたのだ
と思いました。
うまく言えませんが、いきなりYouTubeで
この動画に出会っても???だったかもしれません。
あらためましてどうもありがとうございました。
16. Posted by 円山 玄花 2010年04月15日 21:39
☆なんだ さん
お久しぶりです。
コメントをありがとうございます。
どのような分野の事柄であっても、何かを正しく伝えようとすることは、とても難しいですね。
文章でどれほど細かく説明しても限界を感じますし、だからと言って何の説明もなく、
いきなり動画だけをポンと出しても、何かを伝えたことにはならないと思います。
自分の拙い文章でも、少しでもお役に立てたのでしたら、たいへん嬉しく思います。
今後もご意見やご感想をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いしま〜す!
お久しぶりです。
コメントをありがとうございます。
どのような分野の事柄であっても、何かを正しく伝えようとすることは、とても難しいですね。
文章でどれほど細かく説明しても限界を感じますし、だからと言って何の説明もなく、
いきなり動画だけをポンと出しても、何かを伝えたことにはならないと思います。
自分の拙い文章でも、少しでもお役に立てたのでしたら、たいへん嬉しく思います。
今後もご意見やご感想をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いしま〜す!
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