2009年07月16日

歩々是道場 「甲高と扁平足 その4」

                     by のら (一般・武藝クラス所属)


 その実験は、武藝館スタッフのメンバーで、あーだ、こーだと、楽しく行われた。

 ヒトは、履物によって「歩くこと」が変わるのではないか・・?
 歩く姿勢も、身体の軸も、そして、もちろん脚(ジャオ)の使い方も・・・
 それが、今回、私たちの確かめたいことであった。

 まず、平らな硬い床の上を、何も履物を履かずに歩く。
 練拳歴だけは十年以上という、ツワモノどもが揃うスタッフは、流石に綺麗に歩く。
 その特徴は、一般人と比べて体軸が安定していることだろうか。誰もが皆、頭がブレないし、横揺れも少ない。普通、入門して間もない人は、体軸が上下にピョコタン、ピョコタンとブレるし、左右にも、足の外側に向かってブレブレになりながら歩いてしまうものだが、幸いスタッフたちにはそれほどのブレは見られない。
 しかし、人によっては背筋に緊張が残っていたり、せっかく綺麗に立てているのに、動いた途端にちょっと落下してしまうような動きが見られる人も居て、実に勿体ない・・・

 ある程度のレベルで整って立つことが出来て、そのまま歩けている人でも、師父や教練、練拳歴15年を超える大先輩たちと比較すれば、自分たちが驚くほどブレているのが確認できる。一体どのような修練を積めば、あのような軸で歩けるのかと思うが、今回の実験では取り敢えずコレでも真っ直ぐ綺麗に歩けているコトにして、自分たちの体軸を基準とした。


 次に、ごく普通の、部屋履きのスリッパで歩いてもらう。
 スリッパのヒールの高さは1.5センチほどだが、つま先の底の厚さが7〜8ミリあるので、実質的な高さは僅かに1センチ未満のヒールということになる。
 しかし、たったそれだけのヒールの高さで一体何が変わるのだろうかと興味深く観察していると、意外にも、歩き始めてすぐに本人たちの方から、
 『うわぁ、違う、違う、ぜんぜん違う! いつもこんなのを履いていたんですね!!』という驚きの声が発せられてくる。普段はそんな変化をまったく気にもしていなかったというのだ。

 わずか1センチに満たないヒールで歩く事の、一体何がそんなに駄目なのかを訊ねると、スリッパを履いた途端に体軸が前にブレてしまい、体重が微妙に太腿の前側や膝に掛かってきて、脚(ジャオ)の中足辺りに重心が来てしまうのが確かに感じられるという。
 そして、これまで全く意識したことがなかったが、もしこれを履いて一日中過ごしていたら、これまで養ってきた自分の武術的な軸もかなり狂わされて、なお且つそのことに気がつかないで過ごしてしまうかも知れない・・・と言うのだ。

 真横から観ていると、確かにスリッパを履かない時とは、明らかに姿勢が変わっている。
 本人の言うように、大腿四頭筋を支えにするように膝を出し、太腿の付け根の辺りを少し前に突き出すようなスタイルになっている。
 また、上半身は胸を張り気味に、やや後ろに反っくり返るような恰好だ。
 念のため、複数のスタッフにそのスリッパを履いて歩いてもらうが、同意見であった。

 こうして比べてみるまでは、誰もそんなことに気がつかなかった。
 私など、普段履いているスリッパのヒールの高さを気にしたこともなかった。
 わずか1センチで体の軸を根こそぎ変えてしまえるほどの ”悪玉ヒール” が付いていたとは思えないまま、一日の大部分を、それを履いて気軽に過ごしていたと言うことになる。


 では、もっとヒールを高くしていったら、一体どうなるのだろうか・・?
 次に履いて貰ったのは、ヒール高が約7センチある、お洒落な女性用の靴である。
 やはり、こうなると、先ほどスリッパを履いた時に出てきた特徴が、さらにグッと強調されて出てきた。
 スリッパの時には、ヒトの体の重さが掛かる距骨(きょこつ=スネの骨の真下にある骨)のところにまだ「重さ」を感じられていたのに、こうなると、もう重さの実感はそこには存在せず、完全にツマ先だけになり、カカトには少し重さが感じられる程度である。
 つま先は中足骨の辺りにほとんどの体重が乗っていて、膝が曲がって前に落下せざるを得ず、骨盤が前傾して臍が下を向き、上半身は後ろに反っくり返るようになるのを、やや首を前に出し加減に、背中を丸めることでバランスを取ろうとしているように見える。

 腰を反り、上背を丸め、首を出し、膝を落とし、後ろ足で押すようにして、ノッシノッシと歩く・・・ん?・・こうして歩く姿勢を、どこかで見たことがあるなぁ・・と思った。
 スタッフたちも、お互いにヒールで歩く姿を見ながら、同じことを考えていた。
 それは、欧米人たちの歩き方とよく似ていた。そう、それは正にヒール系の靴を創り出し、流行させ、それがお気に入りであった人たちの、その末裔たちの歩き方なのである。

 そして、何よりも、その歩き方はヒトとしては不自然だと思えた。
 まるで下りの坂道を、前に転ばないように、足を突っ張るように出し、後ろ足を前に出す時には、何処にどうやって足を置こうかと探しながら歩いているように見える。
 また、胯(クア)の外側部辺りの動きが回転運動になって、ヒールを履かない時と比べると腕の振りが著しく大きくなっている。そう言えば、腕を大きく振りながら歩く人は、必ずと言って良いほど胯がグルグル回っているものだ。
 また、足は大腿部の動きばかり強調され、大腿の外側の筋肉(大腿筋膜張筋や大腿直筋)が緊張して、そこにたっぷりと負荷が掛かるようになる。

 考えてみると、ヒール系の靴を履いたときの身体は、正に坂道を下って行くような状態だと言える。カカトの高い靴を履けば、たとえ平地を歩いていても、身体は常に急な下り坂を歩いているように使われざるを得ない。
 マラソン競技などでも「下り坂は膝への負担が大きい」などと解説されることが往々にしてあるし、高層ビルの階段を、上り組と下り組にグループを分けて歩かせたら、一見楽に思える下り組の方が遥かに身体への負担や翌日の疲労が大きかったという実験も、曾てあったと記憶している。
 実は、この、坂道を下って行く状態と、坂道を上って行く状態とでは、身体の軸に大きな違いがあるのだが・・・本題とは外れるので、此処では触れないことにする。


 このように、ハイヒールに限らず、ヒールが付けられた靴を履いたときの身体各部への負担や悪影響はかなりのものであるに違いない。
 ヒトのカカトの高さは、その最適な高さが自然に決められているのだと思う。その道理を無視し、人間の都合で踵だけを高くしてしまうことは、どうやら愚行でしかないらしい。

 その証拠を示すように、ヒールを常用している事によって起こる弊害は、外反母趾や内反小趾、扁平足などの脚(ジャオ)の構造の崩れを始め、深刻な腰痛、膝痛、スネや腿の筋肉痛などがあり、おまけに眼精疾患や慢性の頭痛、神経痛、果ては深刻な心臓病まで引き起こされるという研究報告まである。

 普通にヒールを履いて歩いているだけでもこれ程の弊害があるのに、何とオーストラリアではハイヒールを履いて走る競争(Stiletto Race)があると聞いて驚いた。
 連載小説「龍の道」でお馴染みの著者・春日敬之さんの報告では、ヒールの高さが3インチ(7.5cm)に定められたハイヒールで、シドニーの市街地で行われ、昨年はハードルの選手が勝利者となって賞金の5,000ドル(約40万円)を獲得した。わずか80メートルを走って五千ドルを得られるとあってか、参加者が260名もの大盛況だったという。
 調べてみると、同じようなハイヒール・レースはベルリンやニューヨークでも行われていて、ニューヨークでは男性も老若を問わず多く参加をしているレースもある。もちろん、短パンの足元には女性用のハイヒールを履かなくてはならないが・・・いやはや。


 ハイヒール・レースや武術の修練ばかりではなく、普通の生活の中で何気なく使っているときの脚の負担がどれほどのものかを知っている人は意外と少ない。
 実は、脚に掛かっている重さは自分の体重の分だけではない。ゆっくりと部屋の中を歩くだけでも、体重の2割増しの重さが脚(ジャオ)には掛かっている。
 つまり、体重50kgの人は60kg、60kgの人は72kg、80kgの人は96kgもの重さが、普通に歩く度に、それも片足を踏むごとに掛かっているのである。
 これは無視できない数字である。普通の人は一日に平均約7,500歩ほど歩くというから、単純計算しても一日に片足に掛かる負荷の総量は、体重60キロの人の場合450トン、80キロの人なら600トンにもなるのである。

 部屋の中で普通に歩いていても、これだけの負担が掛かるのだから、舗装路の市街地を、しかもヒール付きの硬い革靴で歩いたら、一体どういうコトになるのか・・・・
 考えただけでもゾッとするが、アメリカの研究データを漁ってみたら、固い革靴を履いた人が舗装された道をタッ、タッ、タッ、と軽快に走った場合、その際の脚(ジャオ)に生じる一歩ごとの負荷は、時速50kmで走る自動車が、ブロック塀にノー・ブレーキで激突した時の衝撃、或いは10メートルの高さからコンクリートの地面に飛び降りた時とほぼ同じ衝撃力であるという。

 物理の苦手なアタマを懸命に働かせると、これは17G、つまり体重が60kgの人であれば1,020kgものチカラが、そのアシの一歩一歩にはたらいている、ということになる。
 その衝撃は脚から骨盤や胴体部を通過しながら、徐々に負荷を軽減させ、ヒトの最も大切な頭部にまで至るが、そこに来たときには12kg〜18kg(0.2〜0.3G) ほどになっているので、会社に遅刻しそうになって駅の構内を疾走しても、何とか私たちのアタマは無事でいられるらしい。もちろん、毎日それを継続することは避けた方が良いに決まっている。

 それにしても、体重60キロの人でも1トンもの重さの衝撃が来るというのは本当にスゴイことだ。それに耐えている脚(ジャオ)は、思わぬハプニングに本来の構造が崩れることを余儀なくされ、悲鳴を上げているに違いない。

 ちょっと舗装路の上を革靴で走った程度でコレなのだから、陳発科や李書文になったような気分で煉瓦やコンクリートの床で下手な震脚をやった日には、もう、その人のアシはどうなるか想像もつかない。

 かつて漫画の『拳児』に影響された高校生が武藝館に入門してきて、コンクリートの床でズシン、ズシンと震脚を続けていた。もちろん師父には内緒である。本人は陳発科のように震脚で天窓をビリビリ音を立てて震わせ、八極拳の李書文の様に煉瓦の床やコンクリートの舗装路をぶち抜けるようになりたかったらしい。
 ある日、突然稽古に来なくなった彼を心配して師父が訪問すると、右の足首が疲労骨折、脚(ジャオ)があちこち複雑骨折をしていて使い物にならず、今後一切激しい力を掛けてはならないと医師に宣告されたという。
 正しい稽古さえしていれば太極拳の震脚の意味も解ったのに、マンガのヒーローに憧れて、自分勝手に震脚のみを続けた結果が、それであった。

 激しく落下した身体を足で支えるような運動は、震脚以外にもたくさんある。
 ちょっと思いつくだけでも、走り幅跳び、三段跳び、ハードル、舗装した市街路を42キロも走るフルマラソン、スキーのジャンプやモーグル、トランポリン・・・
 因みに、2000年のシドニー五輪から競技種目となったトランポリンは、選手の体重にもよるだろうが、7メートルほどの高さに飛び上がってトランポリンの床面に落下してきた時の衝撃力は、軽く1トン以上にもなるのだそうだ。
 110本のバネで弾む際の着床時間が0.1秒以内という世界だから、何とか骨折せずに耐えていられるらしいが、それでも脚の構造への負荷は見た目よりもかなり大きいという。
 

 ヒトの構造では、その荷重は骨盤部から大腿骨、脛骨を通って、脚の距骨に届く。
 距骨からは、カカトとつま先の方向に、逆Y字形に重さが分かれて向かい、踵には約78%、つま先には約22%の割合で、それぞれ体重が分散する。

 体重60kgの人がヒール付きの靴を履くと、どのような負荷が掛かるか、例を挙げると、

 高さ3〜4センチのミドル・ヒールでは、踵に40.8kg、つま先に19.2kg、
 高さ6〜7センチのハイ・ヒールを履けば、踵に22.2kg、つま先には37.8kg、となる。

 また、上述してきた、普通に歩いた場合や、舗装路を走った場合をまとめて図表にすれば、凡そ以下のようになる。




  



 普通に部屋の中を歩いていても、脚(ジャオ)には2割増しの重さが掛かっていると先に述べたが、このように、ヒール付きの靴を履けば、それだけでも脚の骨格が崩れているので、脚(ジャオ)本来の構造が崩れてしまうのは必然であると言えるし、それが高くなればなるほど、その崩れも大きくなってくる。

 先のハイヒール・レースでの脚への負荷は、ちょっと考えても一歩ごとに1トン半以上にもなるはずだから、わざわざ自分の脚の構造を壊すために参加するようなものである。
 ましてや、大男が先細のハイヒールを履いて走ったら・・・観ている方は面白いが、本人の脚に掛かる負担は、優勝賞金ぐらいでは全く割に合わないかもしれない。


 ついでに、足半(あしなか)を履いたときの脚(ジャオ)の骨格図を作ってみた。



               


 これを見ると、ヒール系の靴が脚の構造を崩してしまっているのに対して、足半はつま先の接地時期を早め、縦のアーチ構造を通常よりも大きくしているように思える。
 単純に考えて、踵の高さを上げてアーチの度合いを高めると、小さな骨が集まったつま先側への負荷が増えていくが、足半の場合は反対に踵の負荷が増える。踵の骨は大きく強いので、構造が崩れる怖れは少ないし、つま先のヒール高は草鞋の厚みだけなので、負荷も大したことはないはずである。
 足半を履いた構造によって発生する効果や、そこで気がつくことは驚くほど多いが、足半をただ単に日常的に履いていても何もならない。もし正しい構造でこれを履いて立ち、正しく歩こうとしてみれば、ヒトの構造や武術の構造について、多くのことが理解できるはずである。


 普段からヒール系の靴を履き、家の中でもヒールの付いたスリッパを履き慣れているような人は、歩くだけの稽古に於いても、つま先がなかなか捉え難い。落下を推進に変えるような、”前のめり” の武術をやって来た人は、ほとんどつま先を浮かせたままで歩く特徴が顕著に見られ、まるで踵骨と中足部だけで歩いているような感がある。

 ヒトの構造上、歩行時には、脚のカカトからつま先までがきちんと使われなくてはならないのだが、現代人はなかなかそれが正しく行われていない。しかし、他の武術や武道を長年学んできた人でも、そのように「ヒトの正しい歩き方」が出来る人がほとんど見られないのは何故だろうか。

 太極武藝館に入門すると、誰もがまず「立ち方」と「歩き方」を教わるが、それは意外にも、何か特別な、「武術的」な歩き方ではない。
 それは、二足歩行をするヒトとしての、正しい構造を用いた正しい立ち方を教わるのであり、正しい構造に於ける、正しい歩き方を教わるのである。
 入門者の多くは、先ず、この道場がそれを最も重要視していることに驚かされる。

 それが無くては何も始まらない・・と師父は言われる。

 よく考えてみれば、確かにヒトとしてのあるべき構造を無視して、いきなり強力な武術だの何だのと嘯いても、それは手前勝手な傲慢さに過ぎないのではないかと思える。
 私たちは、ヒトとしての、その根本的な構造を有するがゆえに、普通にこのように立てて、このように歩けて、ごく当たり前のように、このように動けているのである。

 人間は、その、ヒトとしての構造を離れては、運動の進歩も発展も進化も有り得ない。
 全ては其処から始まるべきであり、それを外れて何をやろうと、その外れたことを特別な武術と呼ぼうが優れた運動と呼ぼうが、そこには何ほどの高度さもなく、高度なものに発展する可能性もなく、どのような秘伝にも極意でも有り得ないことは歴然たる事実であろう。 
 サルがチーターの真似をすることが出来ないように、ヒトは自らの天理自然の構造を無視したままでは、ヒトという存在である武術の達人の真似をすることなど、決して出来ないのだと思える。

 なお、歩行に大切なのは、もちろん「脚の使い方」だけではないが、それは拙論の本題と外れてしまうので、ここでは敢えて言及しないことにしたい。

 そもそも、武術の大事を身体の一番下部にある「脚の使い方」からアプローチする事など出来ないものだと、私は思っている。脚(ジャオ)の使い方をどのように工夫しようと、そこから発想が始まっては真に武術に必要な身体は養われないと思える。
 同様に、いくら履物を工夫しようと、どう開発しようと、そんなところから本物の武術が生まれたり、学べたりするものではない。

 少なくとも、私はそう信じている。


                                 (つづく)



disciples at 21:19コメント(12)歩々是道場 | *甲高と扁平足 

コメント一覧

1. Posted by トヨ   2009年07月16日 22:47
えーっと…え?
>固い革靴を履いた人が舗装された道をタッ、タッ、タッ、と軽快に走った場合
>時速50kmで走る自動車が、ブロック塀にノー・ブレーキで激突した時の衝撃
>或いは10メートルの高さからコンクリートの地面に飛び降りた時とほぼ同じ衝撃力

これって、一歩ごとに結構大きな事故に合ってるのと
同じってことじゃないですか!?
靴って、歩く際の衝撃から足や体を守ってくれているものだと思っていたのですが、
わずかな構造の崩れで、ここまでとてつもない衝撃を引き起こしていたとは、驚きです。

ということは、構造を整えることを、足元の小さな部分だけでなく体全体で行ったら、
どれほどのものになるのか…。
想像に難しくないというか、考えるのが少し怖いくらいですねェ。

いやまあ、太極拳ではそれをやっているんですけども!
 
2. Posted by ほぁほーし   2009年07月18日 05:09
「脚」がこれほど面白いものとは、ちょっと驚きです。
ゆっくり部屋の中を歩くだけで、脚に掛かる重さが自分の体重より増えるとは。
しかも、体重の2割り増し!

それでいて、軽く駆け足をしても決して脚が重そうには見えなかったり、
砂浜をダーッと走っても、深い足跡が残らないようなことが起こるわけですから、
ヒトの構造に秘められている可能性は、一体どれほどのものかと思ってしまいます。

その全ての始まりは、あるがままの構造を崩さずに用いることから始まるのですね。
正しい立ち方、歩き方を追求する意義が、ますます強く感じられます。

3. Posted by tetsu   2009年07月18日 21:24
「ヒールの高さだけであのような負荷がかかるのか!」と驚いております。
履物の選び方や、普段の歩き方に注意していなければ脚はどんどん悲鳴を上げ、
さらには人としての構造が崩れていってしまうのですね。
基本的な生活をますます見直す必要がありますね。
 
4. Posted by まっつ   2009年07月20日 23:51
このように図解入りで脚の構造を説明して頂くと、
本来あるべき脚の機能がどのようなものなのか、
良く理解する事が出来ます。

既に立つ為、歩く為の精巧な機能があるのに、
靴にヒールという余分がある事で、
構造的に不自然な働きを強いられて、
本来の機能を損なってしまうとは大変な事態ですね。

どーりで巷の人々の多くにおいて、
その動きがロボットのように不自由に見える訳です。
機能が少なくなっているのですから、
とーぜんの結果なのですね。

でも逆説的に考えれば、日本の履物の偉大さが良く分かります。
鼻緒という発想は、脚の機能をより引き出す工夫なのですね。

うーむ、実に勉強になるなー。
改めて足元を見直す良い機会となりました。
次回にも期待してます!
 
5. Posted by のら   2009年07月21日 13:20
☆トヨさん
>ということは、構造を整えることを、足元の小さな部分だけでなく体全体で行ったら、
>どれほどのものになるのか....。

・・・おいおい、それ以上云っちゃぁいけねぇぜ!(笑)
 
6. Posted by のら   2009年07月21日 13:22
☆ほぁさま
脚(ジャオ)の研究は、私にとって未だ始まったばかりですが、
これほど面白いものだとは、正直、思ってもいませんでした。
以前、師父が体重計を使って様々な実検をしておられましたが、
それを耳にしただけでも、「嗚呼、何ということだ・・!!」と、唖然としたものです。

実は、脚(ジャオ)にはもっともっと凄い秘密があることを発見したのですが、
上記トヨさんへのお返事のように、
「キミィ、ソれを言っテはいげないヨ・・」
と、師父にきびしく釘を刺されました(笑)
 
7. Posted by のら   2009年07月21日 13:24
☆ tetsu さん

「基本的な普段の生活にこそ、その人の本当の体軸が現れる」
・・とは、師父が常々仰ることですが、
さすがに師父は、部屋で歩かれていても、道場と何も変わりません。
クルマを運転していても、まるで太極拳のような・・
・・いや、ゆっくりやるタイプの太極拳とは、全然モノが違うんですけどね(笑)
 
8. Posted by のら   2009年07月21日 13:28
☆まっつさん

>うーむ、実に勉強になるなー。

ありがとうございます。
少しでも皆さまのお役に立てていただければ、嬉しく思います。

>本来の機能を損なってしまうとは・・
>機能が少なくなっているのですから、とーぜんの結果なのですね

そう、一般的には、この「本来の機能」という考え方が欠如していて、
「機能」ではなく、「動かし方」や「脱力」になってしまっていることが多いですね。

例えば、「蹴らない」という身体の構造を造りたいために、
軸足で身体を「支えるだけ」「乗るだけ」ということをやってしまう。
これは、武術的な意味では、本当の「蹴らない」にはなりませんね。

同じことが、「二軸」や「推進力」にも言えます。
その、「本来の機能」を考えるレベルがあまりにも低いと、
師父が指導される太極拳の拳理には、とてもついて行けません。

>改めて足元を見直す良い機会

まことに、「照顧脚下」とはよく言ったもので・・・(笑)
 
9. Posted by 猫だニャン   2009年07月21日 21:28
>7メートルほどの高さに飛び上がって
>トランポリンの床面に落下してきた時の
>衝撃力は、軽く1トン以上に

それだけでなく、最下点に至るまで
トランポリンの床(ベッド)面はフラットではなく

\_/

の様に沈んでいき、
ベッドは相当な張力になっていますので、
脚のアーチには真逆の甚大な負荷がかかります。

さらには落下の衝撃に耐えておしまいではなく、
再び7m上空へ跳ね上げられるということは、
最下点から脚が離れるまでの間、
上向きに力を加え続けられているので、
その力積に耐え続けているわけです。
もちろん、靴底の硬いシューズなど履いておらず、
消耗品としての靴下か、柔らかい体操シューズで脚の皮膚を保護している程度です。
(ナイロンのベッドに裸足では皮膚が持ちません)

我ながら脚に過酷なことをさせていたんだなぁ〜としみじみ。
鍛えられるわけです。(笑
 
10. Posted by のら   2009年07月22日 16:45
☆猫先生

コメントをありがとうございます。

>脚のアーチには真逆の甚大な負荷がかかり
>その力積に耐え続けている

これは、まさに、脚(ジャオ)には過酷な話ですね。
トランポリンの選手に膝や腰の故障があることを見ても、
脚に限らず、身体全体に掛かる負荷は、かなり驚異的なものなのでしょうね。
ウチの師父が震脚をしたときの衝撃は、
普通で20〜30kg、ちょっと強めでも100kg以内ですので、
あらためて、物凄いことだなぁ、と思います。

トランポリンは、太極武藝館でも稽古に使われていますが、
もちろん、選手のように高く飛び上がるわけでもなく、(天井が低いですし・・笑)
師父の指導によって、脚(ジャオ)に大きな負担が掛からない工夫が為されており、
「床の上では分かりにくいコト」を確認するために役立てています。
 
11. Posted by トヨ   2009年07月23日 01:16
えーっと…え?

>ウチの師父が震脚をしたときの衝撃は、
>普通で20〜30kg、ちょっと強めでも100kg以内

今日の稽古でも震脚をされてましたが、ビル内の道場は足元から揺れを感じるし、
数回やったら壁が「ミシッ」って音を立ててましたよ。

(いや、壁がボロとかそういうことではなくて…)

それほどのものが、たった数十キロの衝撃で起こっていたとは!
歩くほうが衝撃が大きいじゃないですか!

ということは、構z…

えーっと、以下略で(笑)
 
12. Posted by のら   2009年07月23日 03:48
☆トヨさん

>壁がボロとかそういうことではなくて・・
・・なぬ?・・・What do you wanna say.......?

>それほどのものが、たった数十キロの衝撃で起こっていたとは!
・・ちみぃ、そんなの、すげーかんのじょーしきだよ!
むかしっから、しりょー・はつ・せんきん、つーでしょーが。

>ということは、構z...
・・そりゃー、おめぇ、あたりめーだのくらつかー、ってことよ。
(ん? コレ知ってっか・・・?)

>えーっと、以下略で
ハイ、よくできました。
んむ・・こんごも、そのこころがけをタカラとしなさいっ(笑)
 

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