2009年05月16日

そむりえ・まっつの Weekend Dinner 「 す げ 蕎 麦 」

                        
  『そのうち、蕎麦も打ちたいですねぇ・・・』


  あの衝撃の「すげ天」デビューからふた月・・・
  武藝館の誇る仕事人、我らが板さんの本領を味わう季節がやってきました。

  時あたかも春・・・
  命、萌え出づる季節です。
 
  山海の旬の素材は、溢れる精気に充ち満ちて、
  食いしん坊達を誘います。

  さて、今宵はどんな趣向で楽しませて貰えるのでしょう?
  待ってましたの「すげ蕎麦」
  開幕です!



            


  今日はカジュアルな装いの板さん、良い笑顔です。

  今回、板さんは前日から厨房入りして、仕込みに勤しんでくれました。
  勝手知ったる厨房ですから、動きも淀みがありません。

  さて、蕎麦打ちの準備も万端整ったようです・・・



 先ずは「水回し」です


            


  篩(ふる)いにかけた粉に、満遍なく水を回していきます。
  手練の早業で、颯颯と手早く仕上げます。

  今回の蕎麦は、蕎麦粉が8割、割り粉が2割の「二八蕎麦」です。
  味良し、香り良し、喉ごし良しの、蕎麦の王道です。

  蕎麦粉は、福井は永平寺の産。
  低温で保管した玄ソバ(殻付きのソバの実)を、
  その甘皮ごと丁寧に石臼で挽いた「挽きぐるみ」の蕎麦粉を使います。

  勿論、事務局では挽きたてのホヤホヤを入手。
  抜かりはありませんね〜。



 次いで「菊練り」です
 

        


  まとめた粉を練り込んでいきます。
  全身を使い、一心不乱に練りに練ります。



 舞台は移って・・・
 

        


  リビングに仮設された「特設蕎麦打ち台」です!

  うーむ、しかし、何とドデカイまな板でしょうか・・・



 蕎麦打ちのハイライト、「延し」です!


        


  サッと台に打ち粉を振り、
  手の平で生地を丸く延して、正円形に整えていきます。


        

        


  麺棒を使い、更に丸く延します。

  仄かに蕎麦の香気が部屋に漂ってきます。
  これは蕎麦粉が新鮮な証し、期待に胸も高鳴ります!


            


  何時の間にやら、円形の生地は菱形に変わり、だんだんと方形に近づいていきます。



 細身の麺棒を併用して、「本延し」に入ります


  板さん:「”並木の藪”の先代も、細身の延し棒を使われたそうですヨ〜」

  師 父:「先代の並木の蕎麦は、本当に美味かったなぁ・・・
       ”室町砂場” と ”まつや” も良い仕事をするねぇ。
       ”まつや” は前日に予約をすれば、小判形の卵焼きを食べられるし、
       室町の砂場は、暇な時なら隠しメニューで ”そばがき” を作ってくれる・・」

  板さん:「昔カタギの人の仕事ですね〜
       今時はとても其処まで・・・という仕事をされますヨ〜」


  ・・うーむ、職人と通人の会話。 
  ちょいと粋な雰囲気に、年輪と経験の差を感じますなぁ・・・


        


  玄人の手の内にある麺棒は、踊るように小気味良い拍子を刻み、
  みるみると生地が延されていきます。

  只、一塊の粘土の如き玉が、
  艶やかな反物のようなファブリックな質感に変わる様は、
  まるで魔法を見るようです。

  「ほーう・・・」 一同も感心しきりの程です。



 最終工程、「たたみ」と「包丁」です


        


  打ち粉を振って、生地をたたみ、
  こま板を当て、調子良く包丁を入れていきます。
  機械のような一定の拍子と、精確な蕎麦切りの身幅です。


            


  ピンと項(うなじ)の伸びた姿勢に、
  武藝館のオリジナル・エプロンがキリリと映えます。


        


  細く、しなやかで、美しい佇まいです。
  生き生きとした蕎麦の持つ精気が顕れているような、瑞々しい風情です。

  お見事!
  時間にすればあっという間、
  流石の早業に、一同、やんやの拍手喝采で板さんの労を労います。

  さてさて、名人芸に眼福を得た後は、速やかにその精魂を賞味し、
  口福を存分に満喫するのみです!



 今宵の蕎麦前は、


            


  栃木は鬼怒川の伏流水を仕込み水に、
  南部杜氏の手練が仕込む銘酒、「四季桜 純米大吟醸 花宝」です。

  春爛漫の宴に相応しく、桜花の如く清楚で華やかな吟香です。
  キレの良い辛口に、食慾は弥増すばかりです。

  この日の生花は、
  青竹を擬した青磁の花瓶に、芍薬の一輪挿しです。  
  蕾の風情も楚々とした趣があって佳いものです。



 本日の先付は、


        


  「若竹煮」と「奈良漬」です。

  筍、蕨、蕗と、旬の山菜を炊き合わせた煮物は、
  丁寧にアク抜きが施され、しっとりと味を含んでいます。

  小気味の良い歯応えに、清清しい雅味があり、
  春らしい、伸びようとする力そのものを食すようです。

  師父:「この美味しい春のぬめりが嬉しいな・・・」

  奈良漬は「守口漬け」。
  酒粕の旨みが濃厚で、酸味も鮮やか、酒の肴に実に宜しい逸品です。



 食中の御酒には、


            


  米どころ岡山の地酒「喜平 本醸造」です。

  万葉集にも、

   「古人の 飲へしめたる吉備の酒 病まずすべなし 貫簀(ぬきす)たばらむ」

  とあり、古の昔から、由緒ある酒造りの伝統を継ぐ地の佳品です。

  その味わいは、米の味が濃く、よく料理に寄り添い、その長所を引き立ててくれます。
  やはり料理と共に味わうのであれば、吟醸酒よりも本醸造酒、純米酒が安心でしょう。



 蕎麦屋の肴と言えば、


        


  なんと言っても玉子焼きでしょう。
  今宵は一寸豪華に「鰻(う)巻き玉子」です。

  木屋製の専用銅鍋で焼き上げた玉子焼きは、
  ふうわりと柔らかく、かつ弾力に富んでいて実に美味。

  素材の良さと、鍋の良さ、そして作り手の腕の良さが、
  はっきりと分かる一品です。

  一同:「な、何故に其処で返せるのぉ〜!」        
 
  くるりくるりと返しつつ、重ねに重ねて焼き上げる手際は、
  一朝一夕には成し得ない功夫の賜物でしょう。



 続く肴は、


        


  「目鯛の西京焼」です。

  浸け加減を心配していた板さんですが、前日から味見をしていた師父に、

  「・・上出来ですよ。漬け加減も丁度良くて、申し分ない」

  と言われて、ホッと一安心です。

  丁度、一日と半分、味噌床に漬け込み、
  味は中心まで沁みていながら、しっとりと瑞々しく、鮮やかな風味を保って、
  春の宵に相応しい玲瓏と澄み切った味です。

  本来なら、語呂のよろしい鰆(さわら)であれば、なお良しではありましたが、
  ちょうど前日の夜漁で好天に恵まれず、今回は仕入れを断念です。
  味では負けていませんから、好しという所でしょう。



 これまた蕎麦屋の定番・・・


        


  「海鮮掻揚げ」と「楤芽(たらの芽)の天麩羅」です。
  天つゆには蕎麦の辛汁を少々加えて整えてあり、大根おろしを添えて頂きます。

  帆立、海老、烏賊と、旨みの三重奏。
  衣はサクリ、身はホロリ、旨みはジュワッと溢れます。

  天麩羅の中でも、掻揚げは最も難しいもののひとつだとか・・・
  鍋を傾け、手前を浅く、奥の油を深く設え、       
  手前からタネを泳がせて、形を整えます。


            


  天麩羅になると、板さんの眼光も鋭さを増します。

  板さん:「イヤ〜、天麩羅というものは難しいものですネ〜」

  今回の仕上がりには、イマイチ納得がいかない様子・・・


  師 父:「ふーむ・・油かな? 次回は油を工夫してみたらどうだろう・・?」

  板さん:「胡麻油を混ぜるのも良いですが、最近は国産が手に入りませんから・・」

  師 父:「ウーン、近ごろは太白さえも中国製だしね・・・
       それじゃ次回は、国産の玉締めの油を手に入れましょうか」


  ・・いや、コレで十分に美味しいと思うのですが・・・(汗)


            


  楤芽(たらの芽)の天麩羅

  これぞ春の味覚!
  口一杯に広がる鮮やかな芳香と、気持ちの良い苦味、
  当に春の息吹を味わうが如しです。

  今回の楤芽は、古参門人のK先輩がご自宅の裏山から採取したもので、
  採れ採れの新鮮な山の幸です。

  今回の「すげ蕎麦」は、楤芽の季節に合わせて日取りを決めたようなもの、
  待ちに待った味というものは、一際に美味と覚えます。



 蕎麦と共に頂く上酒は、


            


  日本最古の酒蔵「酒殿」を擁する春日大社の神職から出でたる、
  由緒ある奈良の銘酒、「春鹿 純米大吟醸 華厳」です。

  スパーッと切れる辛口の身上を保ちながら、深甚とした香気が際立ちます。

  口中に含むと、爽やかに駆け抜ける春風のように、綺羅と香りは広がり、
  後口の潔い事、深山に湧く水の如く清澄です。
  当に、華の如くであり、また巌の如しでもあります。



 さぁ、いよいよ本日のメインです。


            


  蕎麦切りの最後の仕上げ。「ゆで」「洗い」「盛り出し」です。


            


  なんと、「洗い」は師父自らが買って出られて、盛り付けて頂きました!

  師 父:「ハッハッハ・・どうも厨房を見ると血が騒いでイカンな〜・・・」



 「手打ち蕎麦」です


        


  薬味には、山葵と葱と胡麻をお好みで添えて頂きます。

  師 父:「ウマい!」

  ほぁ様:「こんなに美味しい蕎麦は始めてです!」

  Mさん:「いやぁ、これは、実にウマイですね〜」

  (おぉ、今日はMさん運が良い! あれ・・・S先輩は何処に・・?)


  香り鮮やかで、歯応え良く、蕎麦の味わいが濃く、喉越しは滑らか。
  これぞ挽きぐるみの蕎麦の醍醐味です!

  蕎麦つゆも素材を厳選し、手間暇かけて仕上げた逸品です。
  そのまま啜って、酒の友としても良いものです。

  山葵も鮫皮で卸したてたばかりは、
  淡い翠が美しく、ねっとりと肌理が細かく、風味鮮やかです。


  師 父:「あの、刻み海苔を掛けたザルソバというものは、どうにも頂けないね・・」

  板さん:「イヤ、まったく、蕎麦の香りを殺してしまいますね」

  師 父:「蕎麦に海苔が絡まって食べ難いのも、理に適っていない所だよ・・」

  粋を尊ぶなら、良い蕎麦には、良い山葵だけで十分。
  ただ、その極みを味わえる事は、ひどく贅沢なのかもしれませんが・・・



 締めには、


        


        


  師父のリクエストで、即興で拵えた「蕎麦掻き」と、
  締めのお約束である「蕎麦湯」です。

  蕎麦掻きは、素朴で沁み沁みとした味わいで、
  ほっ、と一息付ける優しさが嬉しいものです。

  しかし、此処は蕎麦屋でもないのに、
  何故に、当たり前のように蕎麦湯が「湯桶」に納まって出てくるのか・・?
  家庭の食卓に現れると、異彩な風貌を醸して、妙に楽しいものです。



 食後のお茶とお菓子は、


        


  京都の老舗、河道屋の「蕎麦ほうる」と、
  すっかり武藝館御用達となった感のある「天竜煎茶」です。

  「蕎麦ほうる」は、カリッと歯に響く歯応えで、
  口に含むと、香ばしい蕎麦の香りがふわりと棚引き、
  一瞬の後には、淡雪のように溶けて消えます。

  煎茶道の心得のあるシェフのお煎茶は、
  濃く、甘く、舌に沁み込む甘露でしょうか。

  水よりも粘度のある雫を口中に転がせば、
  ふと、漱石の「草枕」の一文が思い起こされます。


  ・・茶碗を下へ置かないで、そのまま口へつけた。
  濃く甘く、湯加減に出た、重い露を、
  舌の先へひとしずくずつ落として味って見るのは閑人適意の韻事である。
  普通の人は茶を飲むものと心得ているが、あれは間違だ。
  舌頭へぽたりと載せて、清いものが四方へ散れば咽喉へ下るべき液は殆どない。
  ただ馥郁たる匂が食道から胃のなかへ沁み渡るのみである。
  歯を用いるは卑しい。水はあまりに軽い。
  玉露に至っては濃やかなる事、淡水の境を脱して顎を疲らすほどの硬さを知らず。
  結構な飲料である。
  眠られぬと訴うるものあらば、眠らぬも、茶を用いよと勧めたい・・・



  一煎目の苦味と旨味・・・二煎目の甘味と渋味・・・
  三煎目は如何に・・と思いきや、同じ茶碗に白湯が供せられます。
  しかし、その只の白湯の、何と甘いことでしょうか。
  これを甘露と言わずして、他に何と形容すればよいのか・・・
  煎茶とは、当に結構な飲料と覚えます。


  師 父:「蕎麦は農耕の限界地で作付け出来るから、
       かつては救荒作物として重宝されたのだよ・・・」

  なんでもヒマラヤの高地でも蕎麦は作られており、
  最後の秘境ブータンなどでは、日本と同じ蕎麦切りのスタイルで
  蕎麦を食すのだとか・・・


  師 父:「熱した油を掛け回して、唐辛子をまぶして食べるのだけどね・・・
       私もやってみたけど、これがなかなか美味い・・(笑)」

  面白い事に、日本の蕎麦は白い花ですが、ヒマラヤの蕎麦の花は紅色だそうです。

  Mさん:「紫陽花みたいで面白いですね〜」

  ・・そう、紫陽花の花も、土と水に応じて色を変えるのでした。


  それぞれの風土に合わせて、花の色合いも変われば、蕎麦の味も異なる事でしょう。
  やはり日本人には、日本蕎麦こそが身体に合うものと思います。

  正しく地産の素材を吟味し、季節毎の旬を味わい楽しんでこそ、
  心身を健やかに寛がせ、花開の本質に迫ることが出来るというものです。

  「身土不二」とは、元々は仏教の思想ではありますが、
  それも、妥協無く追及し、実感として身に付けてこそ意味があるものです。

  こうして、春には春の、命芽吹く力を取り込み、季節、風土と一体となる感覚を
  得てみると、そこに生き物としての根源的な喜びがあり、その感覚の中にこそ、
  より高みを目指す文化の本居(もとい)が在るのだと感じられるのです。

  だからこそ、武藝館の「食」には妥協が無いのでしょう。
  「太極」と「一味」は、同義なのですから。

s_mattsu at 20:59コメント(10)ウィークエンド・ディナー  

コメント一覧

1. Posted by のら   2009年05月17日 13:52
自分が生まれた土地で産した物を食する・・・
それこそが健康と長寿の秘訣である、ということをよく耳にします。
かのエドガー・ケイシーさんも、確かそんなことを言っていたような。

現在、日本人が食べている蕎麦の71%は「中国産」で、
うどんの材料である小麦粉の48%は「アメリカ産」です。
日本の食糧自給率は40%で、蕎麦やうどんに欠かせない海老の国内生産量は7%、
大豆(油揚げ)は3%しかありません。それ以外は全部外国産です。

農産物を輸入しているのは日本人の食生活が変わったからであるからとされ、
もし輸入農産物の分を国内で生産するには、
462万haしかない日本の農地を1.200万haにしなくてはならない。

けれども今から農地を二倍半にするのは無理だからと、
日本人の消費量の多い蕎麦まで、危険な農薬だらけの中国から輸入する、
パンの原料の小麦を農薬だらけのアメリカから輸入して、それでついでにうどんも作る。

しかし、その考え方は何かがおかしい・・・
政治家は何を考えているのか、と思いますね。
どーなるんだ、日本!

やっぱり日本の蕎麦やうどんは、日本産でなくては、と思います。
挽きたての永平寺の蕎麦粉で手打ち蕎麦を作って食する・・・
まずは、そんな心意気こそ、今の日本人に必要なのだと思います。

2. Posted by tetsu   2009年05月17日 21:53
おお〜!ついにアップされましたね!「すげ蕎麦ディナー」。
この日は遠方より通う身として偶然に日程が重なり、
本当に素晴らしい御馳走をいただくことができました。

食材は師父が厳選され、また「目鯛の西京焼」は前夜から師父がちょうど良い味になるよう
味見を繰り返し、当日にはまさに「このタイミング!」という頃合のこだわり様。
また、蕎麦湯が「湯桶」に入って出てきた時には、自分が思わず
「何でこんなものまであるんですか(笑)?」と口にしましたら、
師父が「だから『すげ蕎麦』なんですよ(笑)」と答えられていました(笑)。
本当に食材から器までこだわった、武藝館ならではのディナーでしたよね!

師父も常日頃から仰られ、のらさんのコメントにもありますが、
こうした日本の味、食文化が輸入物に頼ってしまうのは本当に悲しいことです。
蕎麦なども昔は高級品でもなく、一般的な庶民の食べ物で、自分の畑からとれたものを使い、
魚も近海から獲れたものを使っていたのが、今の日本はどうなってしまったのでしょうか?

この武藝館から、本来のもの、正しいもの、「こうあるべき」というものを
発信していきたいですね。
武術と精神性、生活というものは本当に一つのものです。

3. Posted by ほぁほーし   2009年05月18日 21:10
自分は、蕎麦かうどんかと問われれば、断然「うどん派」です。
盛り蕎麦でも温かいものでも、蕎麦のつゆは濃いし、蕎麦は重いし粉っぽいしで、
大体三口も食べれば、口の中にはおんなじ蕎麦の味が広がるばかりです。
半分を過ぎた頃にはアゴがくたびれてきて、「ごちそうさま」と言いたくなります。

ところが今回の「すげ蕎麦」。
これは違いましたねー。

実際に味わってみれば、おつゆの色は濃くても味はまろやかで、
そばつゆを肴に日本酒をいただくと、心の奥底の魂にまで、コロロと響きました。
蕎麦も粉っぽくなく、むしろしっとりとしていて軽く、
また、つゆと良い具合に絡み合うものですから、味の変化が面白く、
ついつい、もう一口、もう一口と箸がすすみ、ペロリと平らげてしまいました。
同じ蕎麦でも、その材料と料理の仕方によってこれほど変わるものとは・・。

それも、特別高級で高価なものが必要なのではなく、
ちょっとした手間を惜しまず、それを食べる人の健康と成長に対する心配りがあれば、
いつでも生命力溢れる、素晴らしい食卓になるのですね。

特別な何かを付加するのではなく、本来の在り方に立ち帰る。
まさに、私たちが日頃指導されることそのものではありませんか。

すげ蕎麦では、人が生きるということの本質と営みに、触れたような気がしました。
本当に、ご馳走さまでした。

4. Posted by まっつ   2009年05月19日 00:26
>のらさん

現代では、人間と自然は遠く隔たってしまった感がありますね。
万物の霊長と称しても、霞を食して生きられるわけではありません。

さりとて、三大栄養素とビタミン、ミネラル、食物繊維を、
摂取していれば良いのだ。
・・・とも単純に思われません。

真に消化して、心身の血肉と成りうる食とは、
その心身と一体に成り得る食と思われるのです。
端的に言えば、食して心身に感動が漲る類の食物です。

内容に拘らず機械的に摂取するならば、
それは機械的に処理されて、
自身を豊かに肥やす事とは関わり無く、
その身を通過するばかりではないでしょうか。

人間とて動物であり、自然の一部であるならば、
その心身と一体に成り得る、違和感無く合う食とは、
その土地、その風土から産する食物である事は明白と思われます。

自らを豊かに養ってこそ、
その土壌に種は芽吹き、花は開き、実を結ぶと言うものです。

こんなにも豊かな山河大地を有する日本にあって、
あえて食を疎かにする昨今の風潮は真に残念な事と覚えます。

>どーなるんだ、日本!
・・・そーなるんじゃない、日本!

5. Posted by まっつ   2009年05月19日 00:41
>Tetsuさん

うーむ、なんという幸運なのでしょうか。
驚きの飛び入り参加でしたね!
流石はTetsuさん。只ならぬ強運の持ち主です。

>武術と精神性、生活というものは本当に一つのものです。
そーなのです。
このウィークエンドディナーという試み自体が、
その実践の一端をご紹介するべく図られているのです。

語り手の私自身、常に驚かされ、楽しませて頂いております。
さて、次回のメニューは如何なモノなのでしょうか・・・

6. Posted by まっつ   2009年05月19日 01:17
>ほぁほーし様

>・・・断然「うどん派」です。
蕎麦処、深山幽谷育ちのほぁ様が、
実は「うどん派」でおられたとは驚き至極ですね。

関西圏育ちの小生は、無論、生粋の「うどん派」です。
新蕎麦の香りだけは特筆に価しますが、
出汁の色も見えない黒い汁には、正直、辟易していました。

でも、今回の辛汁は驚きましたね。
そのまま肴になる奥深い滋味に充ちていました。

そうか・・・これは玄いと表現するべきだ・・・

理に則って、本来その身に備わる真価を引き出せば、
その本質とは、これほどにも鮮やかに映えるのかと、
驚きを覚えます。

そして、その理路は太極拳の教えと根本は同じなのですね。
日々の営みに、細やかな心配りを置く事は、
太極拳を学ぶ事に帰すること大と確信を得られました。

今回も板さんを始め、方々のご苦労には頭が下がります。
真にご馳走様でした。

7. Posted by なんだ!   2009年05月19日 23:23
なんて美味しそうな蕎麦でしょう。

香り 歯応え 味わい 喉越し

ハイレベルでかみ合ってこそ蕎麦ですね。

これに掻き揚げと蕎麦湯、美味しいお酒がそろえば、もぉ無敵です。

よだれが…。

8. Posted by まっつ   2009年05月20日 00:46
>なんだ!様

コメントありがとうございます。

蕎麦切り、掻揚げ、日本酒とくれば、
日本人の酒飲みには堪らない組み合せですね。

ほろ酔いでイイ気分になってくると、
嗚呼、日本人に生まれて良かった〜
佳い国に生まれたな〜
と心底感じます。

9. Posted by マルコビッチ   2009年05月22日 00:17
美味しかった!という言葉だけでは、言い表せない感動を
まっつさんが見事に書いて下さいました。
ありがとうございます。

何が素晴らしいかって、「お蕎麦を食べよう!!」と言う事に対して、
ここまで、始めから終わりまで考え、動き、心入れすること、
それも遊び心たっぷりに楽しんで・・・
そして、そこにいる人ひとりひとりを豊かにし、生き方まで顧みるようになってしまう!
人間本来、生きるということはとてもシンプルだったのだ、
しかし今や、それがいかに難しい事か・・・

お蕎麦、筍、西京焼、かき揚げ・・・
ひとくち口に入れた時の至福感・・・
食べ物に感謝しなさい!なんて言われなくても、
全てに感謝出来るひとときでした。
ありがとうございました。

10. Posted by まっつ   2009年05月23日 01:20
>マルコビッチさん

現代とは如何にも忙しない時代で、
皆、何かを感じる余裕も無く、
時間に追われて生きてしまっていますが、
武藝館では、どんなに濃密な時間にも、
今ここを通り過ぎてしまわずに楽しめる、
豊かな遊び心がありますね。

そうか、もっと感じる事ができる速度で生きて良いのだと、
思い出させて頂いています。

そんなシンプルなフィーリングこそ、
現代の人々には必要なのではないかと思います。

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